出版社内容情報
【解説】
種分化論と系統分類学の統一的理解をめざして,著者が大学にて講義した内容を骨子に論理を展開
【目次】
日本の現状・進化学の原点―ラマルクの進化学説・ダーウィンの自然淘汰説・品種改良と種分化論Ⅰ・Ⅱ他
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gachin
2
20世紀前半までの進化論の成長と歴史が、キチっと踏まえるべき要点を絞って纏められている良書。日本の進化学事情にも詳しく触れている。おそらく現代においても、まだまだ教科書として機能する。歴史の叙述に留まらず、著者自身による批判(しかも的確)も散りばめられていてとても楽しい。「ヘッケル的観念論は言わずもがな、ネオダーウィニズム的な過度に世界を単純化した機械論にも囚われずに、個々の自然をよく観察して理論化・体系化すべし」というメッセージを感じる。(本書内で明文化されてる訳ではないが)ハッとさせられる至言である。2020/04/04
Kumo
0
著者が徳田御稔だということを念頭に読むべき本。その歴史観はともかく、生物学史を研究する上では役に立つ。機械論に対する批判は尤もだが、その後の生物学を見る以上は機械論の利する面の方が大きいような。2015/07/13