出版社内容情報
プロの音楽家でなくても,私たちにとって音楽は身近な存在です。カラオケで歌を歌って楽しんだり,趣味でギターやピアノを弾いたり。ミュージシャンのライブやオーケストラのコンサートをよく観に行くという人もいるでしょう。最近では,アマチュアでも動画配信サイトで歌や演奏を披露したり,楽曲を制作して発表したりということもめずらしくありません。
日ごろ音楽を楽しんでいる中で,とくに科学を意識することはないと思いますが,音楽と科学はとても密接に関係しています。たとえばおなじみの「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」の音階は,数学的な考察から生まれたものです。科学者によってさまざまな音律も考案されるなど,音楽は数学の一分野として研究されてきました。
また,私たちの耳に届く音は,空気の振動が波となって伝わったものです。楽器にはいろいろな種類がありますが,どういったしくみで音が鳴っているのか,なぜ個性豊かで美しい音色をもっているのかも,物理で理解できます。
本書は音楽と科学の関係性をわかりやすくひもといた一冊です。朝日新聞の連載「すいエンス!?吹奏楽を科学する」とコラボした特別企画も掲載しています。音楽好きも科学好きも満足いくことまちがいなし。さあ,楽しい時間の幕開けです!
【目次】
プロローグ 吹奏楽を科学する「すいエンス!」
音楽演奏の評価の決め手は音ではない ?
音楽は“おなか”で感じている?
金管楽器内のカビの繁殖には要注意!
演奏の指導方法にエビデンスはあるか?
半自動演奏ロボで誰もが演奏を楽しむ時代へ
生成AIでピアノ譜から吹奏楽譜を生みだす!
1.音楽と数学のふしぎな関係
グランドピアノの形にひそむ指数関数_
後世の音楽に影響をあたえたピタゴラスの思想
音は空気の密度の波として伝わる
音も声も三角関数の和でできている
音の分析や合成に使われるフーリエ解析
“基本の音”は人工的にしかつくれない
楽器によって「音色」がことなるのはなぜ?
人間の耳は不完全なフーリエ解析装置!
きれいにひびく和音は何がちがう?
12音階の原型となった「ピタゴラス音律」
時代に合わせてさまざまな音律が考案された
純正律は「転調」に対応できない
「平均律」の基礎を築いたのも数学者
コーヒーブレイク 日本人にはなじみ深い「ヨナ抜き音階」
2.楽器が音を鳴らすしくみ
楽器は音の鳴るしくみによっても分類できる
かっこいい楽器の代表格「ギター」
弦楽器の音が大きくひびくのはボディが「共鳴」するから
「バイオリン」の音色を左右する“柱”
「ピアノ」は見えないところで複雑に動いている!
ピアノの弦の張力はなんと合計20トン!
「木管楽器」と「金管楽器」のちがいは材質ではない!
「開管楽器」と「閉管楽器」は波の形がことなる
「リコーダー」で失敗すると音が高くなる理由は?
「トランペット」は指で管を切りかえている
「ドラム」と「ティンパニ」の振動のちがいとは
コンサートホールの壁はかたさがポイント!
「ストラディバリウス」の音はなぜよいの?
日本独自に発展してきた「和楽器」たち
コーヒーブレイク 管楽器がヘリウムガスを“吸う”とどうなる?
3.音楽を楽しむ脳のメカニズム
物理的な音波と脳で感じる音はちがう?
複雑な音が生む緊張と弛緩が感情を動かす
音楽がもつ“情報”から感動が生まれる
耳から脳へ音はどう伝わる?
音楽は「報酬系」を刺激して心をゆさぶる
音楽と言語は脳でどのように処理される?
脳の中に「音楽中枢」は存在する?
「絶対音感」は音楽家に必要不可欠な能力か?
絶対音感のある人とない人の脳のちがい
絶対音感の習得には年齢制限がある
「相対音感」は大人になっても身につけることができる!
コーヒーブレイク 特定の音を聞くと色が見える「共感覚」
4.音楽を発展させたデジタル技術
音楽の流通に影響をあたえた「レコード」や「CD」
アナログデータをデジタルへ変換する3ステップ
音楽を持ち歩いたり配信で聴いたり
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