出版社内容情報
私たちの身のまわりには,さまざまな大きさの数が存在します。その中には「観測可能な宇宙の広さは約 100000000000000000メートル」,「水素原子の原子核の大きさは 0.000000000000001メートル」など,桁ちがいに大きな数や小さな数もあります。また,急激に数が変化するような現象がおこることもあります。たとえば,「感染者の数は指数関数的に増加する」という言葉を耳にしたことはないでしょうか。これはただの増加ではなく,倍々に増加していくような爆発的な増加を意味します。このような,「桁ちがい」な数や急激に変化する現象をあつかう際に活躍するのが「指数」と「対数」です。
指数も対数も「かけ算の回数」をあらわすものです。とくに対数は,大きな桁の数のかけ算を足し算に変換することができる便利な「計算道具」として発明されました。
対数の誕生は,16世紀の大航海時代にさかのぼります。当時の船乗りは,天体観測をもとに膨大な計算を行い,航路を割りだしていました。また,暦づくりにも,天体観測にもとづいた複雑な計算が必須でした。そのような中で,イギリスの数学者,ジョン・ネイピアが複雑な計算を簡単に行う道具として発明したのが対数です。対数の発明によってたくさんの計算が可能になり,「天文学者の寿命を2倍にした」とまでいわれました。さらにネイピアの研究は後世に引き継がれ,自然界や社会の現象を読み解く際に欠かせない道具として発展したのです。
ニュートン先生の対数講義では,対数の基礎から計算方法まで紹介しています。対数の考え方や,かけ算が足し算になる計算の面白さにも,ぜひ触れてみてください。
【目次】
1時間目
対数と表裏一体の「指数」
指数と対数ってどんなもの?
観測可能な宇宙の大きさは,約1000000000000000000000000000メートル
原子核の大きさは0.000000000000001 メートル
くりかえしのかけ算の威力! 1粒の米が200 俵に爆増
0.1 ミリの厚さの紙を42 回折ると月まで届く
ギターの弦は1.06 倍のかけ算でできている
指数関数の威力をグラフで実感
指数関数が活躍!① 化石の年代測定
指数関数が活躍!② 海の中の明るさは?
指数関数が活躍!③ 「複利法」には要注意
指数をはじめて使ったのは哲学者デカルト
2時間目
「対数」ってどんなもの?
「対数」と「指数」の考え方
1 等星と6 等星の明るさは,100 倍ちがう
地震のマグニチュード7と9,エネルギーは1000 倍ちがう
pH7 の水道水とpH5 の酸性雨,濃度のちがいは100 倍
最小の音と普通の会話の音,大きさは1000 倍ちがう
対数をあらわす記号「log 」
「指数と対数は表裏一体」を式で考える
指数関数と対数関数は「逆関数」の関係
対数を使った魔法の道具「対数グラフ」
株価の変化も,対数グラフで一目瞭然!
対数を考えたのはジョン・ネイピア
3時間目
指数と対数の「計算の法則」
指数の法則 ① ─ 累乗のかけ算は,足し算で計算
指数の法則 ② ─ かっこの指数は,指数をかけ算
指数の法則 ③ ─ かっこの指数は,中身の全部につける
指数が「0」のときはどうなる?
指数が「マイナス」のときを考える
指数が「分数」のときを考える
指数の計算に挑戦してみよう!
対数の法則 ① ─ かけ算を足し算に変換
対数の法則 ② ─ 割り算を引き算に変換
対数の法則 ③ ─ 累乗を簡単なかけ算に変換
対数の計算をしてみよう!
4時間目
対数の魔法道具 対数表
対数表を使えばむずかしい計算も簡単に
131×219×563×608を計算してみよう
229を計算してみよう
12回かけ算すると,2になる数は何?
常用対数表はこうしてつくられた
金利の計算から見つかった不思議な数「e 」
e を底とする自然対数
コラム:もう一つのひみつ道具「計算尺」
指数と対数の法則集
常用対数表



