出版社内容情報
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《《《 光を追って深海へ―― 》》》
太陽光の届かない深海の〈闇の縁〉では、無数の光る生き物たちが生死をかけた「かくれんぼ」を繰り広げている。
隠れる場所のない外洋で、いかに生き延びるのか?世界で初めて生きたダイオウイカの撮影に成功した女性科学者で、海洋生物学のパイオニアである著者が、地球最後のフロンティア・深海の謎に挑み続けた40年の軌跡を綴る科学ノンフィクション!
◆2013年放送のNHKスペシャル「世界初撮影!深海の超巨大イカ」の取材秘話も語っています。
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「……深海の〈闇の縁〉より深いところに網を下ろして船で曳くと、毎回ほぼ例外なく、網にかかって引き上げられる動物のほとんどが光を発する。海面から海底までの海の容積と、この広大な水域が地球最大の生態系を構成していることを考え合わせれば、そこに発光生物があふれていても何の不思議もないとわかるだろう。さらに視野を広げると、ほとんどの海洋生物が(単細胞のバクテリアから巨大イカまで)発光するということは、地球上の大半の生物がわたしたちの知らない光の言語でコミュニケーションしていることになる」
(プロローグより)
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「苦難を乗り越えて楽観主義を貫いた、懸命な探究と画期的な研究の物語。ウィダーは私が夢見ていたことを成し遂げ、それをどのように実現させたかを語っている。」――ジェームズ・キャメロン
リチャード・ドーキンスも絶賛!
【目次】
プロローグ 異質な光
第I部 深く見る
第1章 見る/第2章 フィーアト・ルクス/第3章 最初の発光/第4章 眼下にまたたく星/第5章 不思議な光/第6章 生物発光の地雷原/第7章 水中の炎
第II部 闇を知る
第8章 とびきりの謎解き/第9章 闇の物語/第10章 プランB/第11章 光の言語
第III部 ここに龍あり
第12章 地図の端/第13章 クラーケン現る/第14章 捕食者との会話
エピローグ 楽観論擁護
謝辞/訳者あとがき
【著者】エディス・ウィダー(Edith Widder)
海洋生物学者。米国の海洋調査保護協会の共同設立者であり、CEO、上席研究員。深海に生息する発光生物の研究を専門とする。海洋探査の功績をたたえるキャプテン・ドン・ウォルシュ・アワードを受賞。
【訳者】橘 明美(たちばな・あけみ)
翻訳家。訳書にルメートル『その女アレックス』(文春文庫)、デイヴィス『人体はこうしてつくられる』(紀伊國屋書店)、ピンカー『人はどこまで合理的か』(草思社)など多数。