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巨大建築という欲望―権力者と建築家の20世紀

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  • サイズ B6判/ページ数 514p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314010313
  • NDC分類 520.2
  • Cコード C0022

出版社内容情報

建築にとりつかれてゆく権力者たち、
自らを売り込もうとする建築家たち――
建築と権力をめぐる人間模様、知られざるもうひとつの歴史

【本書に登場する主な権力者・建築家】
ヒトラー、スターリン、ムッソリーニ、毛沢東、ミッテラン、歴代アメリカ大統領、ロックフェラー、サダム・フセイン……
シュペーア、ル・コルビュジエ、ミース・ファン・デル・ローエ、リベスキンド、フランク・ゲーリー、ノーマン・フォスター、フィリップ・ジョンソン、コールハース、ミノル・ヤマサキ……

★五十嵐太郎「解説」より
本書は、人間の本性がそう簡単に変わらないことを改めて教えてくれるだろう。ゆえに、建築もそう簡単には終わらない。人間の欲望をダイレクトに反映するからだ。……(スジックは)知られざるもうひとつの建築史を描くことに成功した。様式や技術、意匠や思想の建築史ではない。権力者が彼らの力を表象する建築を欲する一方、建築家も自分のデザインを売り込もうとする。その様子は痛快だったり、ときには滑稽でもある。本書を通じて浮かびあがるのは、人間ドラマとしての建築だ。

★担当編集者より
【建築史とはすなわち、権力の歴史】
「20世紀に権力を握った独裁者で、建設キャンペーンに乗りださなかった人物を探すのはほとんど不可能だ。ヒトラーからムッソリーニ、スターリン、毛沢東、サダム・フセイン、金日成まで、いずれもそれを実行している」。本書の著者スジックはそう書きます。確かに、建築模型を前に新たなビジョンを語ってみせる独裁者の姿は、容易に想像ができますし、実際そうした構図の写真は多く撮られたのでしょう。
 しかし、この傾向は、全体主義国家の指導者だけのものではありません。スジックは、資本主義社会における権力者たちも――大富豪や宗教者、歴代のアメリカ大統領までも――例外ではないことを抉り出します。
 そして常に、巨大建築にのめり込む権力者たちを陰で支え、ときには滑稽なまでに自らを売り込もうとする建築家たちがいました。有能な建築家とて、権力や財力のバックアップなしには、そのプランを具現化することはできません。監修の五十嵐太郎さんが、「建築史をひもとけば、それは必然的に権力の歴史となってしまう」と書く所以です。
 本書は、こうした巨大建築と権力をめぐる人間模様を独特の筆致でつづってゆきます。現代史の1ページとして面白い読み物になっていると同時に、昨今の都心再開発、上海やドバイなどの巨大開発を想起して現代社会を考える一助ともなる一冊です。

内容説明

建築にとりつかれてゆく権力者たち、自らを売り込もうとする建築家たち―建築と権力をめぐる人間模様、知られざるもうひとつの歴史。

目次

1 人はなぜ建てるのか
2 指導者のデスクへの長い道のり―ヒトラーとベルリン
3 権力が変えた景観―スターリンとモスクワ
4 石の世界―ムッソリーニとローマ
5 床を掃く建築家―変わりつづける北京
6 国民の創造
7 不確実性の時代のアイデンティティ
8 大理石の使い道
9 解き放たれたエゴ
10 大統領の図書館
11 ドライブインにある墓
12 文化の利用価値
13 高層ビル症候群
14 変わりえない条件

著者等紹介

スジック,ディヤン[スジック,ディヤン][Sudjic,Deyan]
1952年にユーゴスラヴィア人の両親のもとにロンドンで生まれ、エジンバラ大学で建築学の学位を修めるが、これ以上、お粗末で陳腐な建物を世に送りださないために建築士の道は進まず、代わりにジャーナリスト、編集者、キュレーター、および批評家としての仕事を選んだ。「サンデータイムズ」紙と「ガーディアン」紙に寄稿したのち、「ブループリント」誌を創刊し、編集主幹となる。現在、ロンドンで「オブザーヴァー」紙の建築評論を担当し、王立美術大学で客員教授をつとめるかたわら、ミラノでは芸術、建築、デザインの国際的な雑誌「ドムス」の編集に最近までかかわっており、双方の都市を行き来している。また、2002年のヴェネチア・ビエンナーレ建築展のディレクターのほか、グラスゴーにも4年間滞在して「UK City of Architecture and Design」に選ばれた年のディレクターをつとめた(この功績で大英帝国四等勲位を授与される)。さらに、大英博物館(ノーマン・フォスター展)とマクレラン・ギャラリーズ(建築と民主主義展)、およびICAギャラリーとロイヤルアカデミーの展覧会でもキュレーターをつとめた

五十嵐太郎[イガラシタロウ]
1967年、パリ生まれ。東北大学工学部准教授(建築士・建築批評)。博士(工学)

東郷えりか[トウゴウエリカ]
上智大学外国語学部卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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Haruko

1
お粗末で陳腐な建築物を増やさない為にジャーナリストになった著者が、白い棒を持ち模型を指し示す権力者とかしこまり説明する建築家という構図で20世紀の巨大建築物を読み解く歯に衣着せない痛快読み物。ザハ・ハディドも登場。数年前ミラノ中央駅に降り立ちその壮麗な巨大建築に鳥肌がたったがムッソリーニの肝いりと知り自己嫌悪。時間がたてば政治的思惑は消え、芸術としての建築物だけが残る。あまりに権力者におもねた建築物は破壊されてしまう。破壊されない為には建築家が権力者以上に自己中心的でなければならないのである。

kojisec.

1
ヒトラー、ムッソリーニ、スターリン、ブッシュ、フセイン、ロックフェラー・・・建築を残すというのは、権力者が自分の力を形として残すという欲望に繋がるのでしょうか。よく我が国で「21世紀になって巨大建築は時代遅れ」という指摘が見受けられるが、ただ舞台が経済発展著しい中国や、中東ドバイに移ったというだけで、本質は時代が変わっても変わらないと思う。さて表紙が東京スカイツリーに見えるのは私だけでしょうか。2010/12/31

ネオジム坊

0
建築家と権力のスキャンダラスな関係を描く。ただ、八束はじめの著作にも言えることなのだが、ジェネラルな建築表象を扱うことで意匠分析としては従来の造形解釈の域をはみ出さないように扱われており、その点では物足りなく思える。創作者の意図を、イデオロギーに還元することで構造分析として明解になることは理解できる。しかし、巨大建築における創作者自身の実存に迫る試みは、「お粗末で陳腐な建築物を増やさない為」という大義の前にもあまりにも危険過ぎる行為なのであろうか…2015/12/25

ON

0
巨大な建築とは、それだけで人々に畏怖の念を起こさせる。そのため権力者は巨大建築を欲し、建築家は権力者と結びつくことで地位を高めようとする。ヒトラーとシュペーア、ムッソリーニとテラーニなど国家的権力者はもとよりCCTVとコールハース、グッゲンハイム美術館とゲーリーなど企業や文化組織においてもその傾向は変わらないというところが面白い。表に出てこないプロジェクトの裏側も書かれており、建築家の違った一面も知ることができる。また、五十嵐太郎の解説で日本にはそういった力を誇示するような建築が少ないという論も興味深い。2012/04/26

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