出版社内容情報
バビロニアに興り、古代から近世まで文明を支配し、天文・物理・気象等の科学の母体となった占星術の発生と衰退を科学史的に評価。
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◆本書について
占星術は、古くバビロニアや中国では国家や王の運命を予言したり、
彼らの権威を保つものとして暴君的支配力をふるった。
その後、偉力は衰えたものの、個人の運命を占うものとして、
多くの「信者」を集めている。
科学時代といわれる今日でも状況は変わらない。
科学的にはナンセンスとみなされている占星術が、
何故こうも人々を惹きつけるのか。
本書は、この歴史的かつ今日的現象を非科学的といって切りすてることなく、
むしろこの現象を手がかりに人間の深層にせまり、
そこから科学的思考の起源、発展、その性格等を浮び上らせようとする。
西洋の占星術の流ればかりでなく、
中国や日本の占星術を同格に扱い、
また中世・近世への展開をも充分考慮して、
占星術の全体像を捉えた、格好の科学思想史入門である。
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第一章 天下国家の占星術
1 天変占星術の発生
2 天変占星術の特徴
3 天変占星術の展開
4 経験主義的発展
5 ドグマ的発展
6 プトレマイオスの「テトラビブロス」
7 占星年代学
第二章 個人のための占星術
1 バビロニア起源の宿命占星術
2 ギリシア文化に入った宿命占星術
3 ローマ社会における占星術
4 中世アジアの占星術
5 中世後期・ルネサンスにおける復興
6 占星表の作り方
7 占星術批判の四つの型
8 太陽中心説の占星術
9 中国の宿命占星術
第三章 日本の占星術
1 王朝期の占星術
2 宮廷占星術の衰退堕落
3 江戸時代
第四章 科学と占星術
1 天文学との関係
2 気象学との関係
3 医学との関係
4 自然観との関係
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