狂気と王権

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狂気と王権

  • 井上 章一【著】
  • 価格 ¥1,922(本体¥1,748)
  • 紀伊國屋書店(1995/05発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 262p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314007054
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「木戸幸一日記」の一文を手がかりに,天皇制の背後にあった精神鑑定の〈影〉を探っていく。元・女官長島津ハルの不敬容疑,虎ノ門事件,皇居をさわがした煙突男,二・二六事件,田中正造直訴事件などを追いつつ,〈狂人〉のレッテル貼りの始まりの謎と,それら歴史上の事件の裏側を読んでいく。驚くべき推理で,天皇制と精神鑑定の関係に鋭く迫った話題作。

*******************

「私はこの本で、何にいちばんこだわったのか。
ありていにいえば、歴史へのノン・フィクション的な興味である。
虎ノ門事件、田中正造直訴事件、明治憲法制定史・・・・。
いずれも、たくさんの先行研究がある。
だが、それらをひとつのコンセプトでつないだ仕事には前例がない。
そこへ、精神鑑定のポリティクスというある補助線がひけたこと。
この点は自分なりに新味だと思っている」  (本書より)

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第1章 オカルティズムと宮廷人
       元女官長の不敬事件
       高松宮の神政政治を霊示する
       入院は、検事総長が決定した
       島津ハルは「快癒」する
       天津教と神政竜神会は起訴された
       「皇室関係事犯者への常套的な処置」

第2章 虎ノ門のテロリスト
       皇太子をねらったステッキ銃
       「七度生れ変わっても、大逆事件を繰返す」
       ねがわくば狂人であってほしい
       「精神的には何等欠陥を認めず」
       脳解剖は狂気を立証できるのか
       異常者のレッテルをつっぱねる
       事件をめぐる、もうひとつのうわさ

第3章 石と煙突のファナティケル
       ねらわれたパレード
       精神分裂症、そして二年の保護処分
       アブノーマルじゃないという医者がいた
       不敬罪観念の戦後史
       皇居をさわがすエントツ男
       抗議をうけた精神科医
       「分裂気質」と「分裂病」
       「精神病質」という概念に、歴史を読む

第4章 フレーム・アップができるまで
       皇室警備と「精神障害者」
       「要注意者」のカードとプライバシー
       昔は、ちゃんと警戒したものだ
       いつから精神異常者はチェックされだしたのか
       狂人扱いを予感していたテロリスト
       田中正造の直訴はフレーム・アップされたのか
       狂気の捏造伝説ができるまで

第5章 ニコライをおそったもの
       司法の伝説と大津事件
       津田三蔵は西郷隆盛の帰還をおそれていた?
       津田三蔵ははたして正常だったのか
       当初は、「精神惑乱者」だと言われていた
       無罪の可能性をつたえる記事
       大津事件と虎ノ門事件のあいだ
       ソビエト政権と精神医学

第6章 相馬事件というスキャンダル
       藩主を座敷牢に幽閉する
       医学が不要だとされたころ
       診断書は、本人をみずに書かれていた
       司法精神鑑定へいたる道
       「心身喪失者に罪は問えない」とされたとき
       精神医学、あるいはその社会史への可能性
       医学の権威がレッテルはりをもたらした

第7章 マッカーサーに語ったこと
       「私は・・・全責任を負う」という物語
       二つの天皇像
       天皇に単独会見した男
       開戦に反対すれば・・・「独白録」は弁明する
       御用邸で御静養
       「脳力」が「衰え」た・・・・

第8章 皇位簒奪というイリュージョン
       二・二六事件と秩父宮の流言飛語
       「厥起の際は一中隊を引率して迎えに来い」
       平泉澄もうろたえた?
       秩父宮をとりかこむ警戒陣
       「壬申の乱」への想像力
       「日本の忌まわしい事実」は、天皇の脳裏をもよぎったか?

第9章 ルードウィヒの王国から
       海の向こうの狂える王
       「人民」を皇室からきりはなせ
       プロイセンの内紛が明治憲法におよぼす影
       「バイエルン憲法を典型として作成された憲法」
       ヴィッテルスバッハ王家のバイエルン
       ルードウィッヒ二世にとってのワグナー

第10章 ノイシュバンシュタインの物語
       音楽から建築へ
       フランス絶対王政のまがいもの
       伊藤博文と君主制
       君主制の暴走をふせぐためのてだてとは?
       シュタンベルクの湖のルードウィヒ
       精神医学のポリティクス
       「独白録」とルードウィヒ二世をむすぶ赤い糸
       ステッキ銃のルーツをさぐる

内容説明

天皇制と精神鑑定の「きわどい」関係を明治・大正・昭和の秘史に読む。

目次

第1章 オカルティズムと宮廷人
第2章 虎ノ門のテロリスト
第3章 石と煙突のファナティケル
第4章 フレーム・アップができるまで
第5章 ニコライをおそったもの
第6章 相馬事件というスキャンダル
第7章 マッカーサーに語ったこと
第8章 皇位簒奪というイリュージョン
第9章 ルードウィヒの王国から
第10章 ノイシュバンシュタインの物語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

こっこ

1
★★★★☆ 約二十年ぶりに再読。しかし内容は全く覚えておらずほぼ初読だ。面白かったが、文体に難といおうか癖があり、またひらがなの多用は逆に読みにくさに繋がっている。本書の主題はあとがきにあるように「そもそも精神異常とは何なのか。狂気と正気を本質的に区分する指標はどこにあるのだろう」というものだ。実際は本書は学術的というより、「歴史へのノン・フィクション的な興味」により書かれているが。「狂気」というレッテルが政治的に(と言うことは恣意的にと同義だが)如何に利用されてきたか、その変遷は特に興味深いものがある。2017/05/23

さえきかずひこ

1
相馬誠胤、難波大助やルードウ゛ィヒ2世らがかかわった古今東西の事件において、それぞれの場所/時代に、どのように狂気が物語られたか、また疑義の対象となったかを、するすると読める平易な文体で明らかにしていく病跡学風エッセイ。佳作である。2012/02/14

かずぴょん

1
なかなか興味深い

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