精選復刻紀伊国屋新書<br> 大衆文学

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精選復刻紀伊国屋新書
大衆文学

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  • サイズ B6判/ページ数 201p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784314006217
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C1395

出版社内容情報

大衆文学は1920年に成立したといわれるが,著者はさらに遡って江戸時代の講談,落語などの大衆文化の中にまで踏みこみ,「大衆とは何か」「大衆の望む面白さとは何か」の問いを軸に,日本人の精神構造にふれるなにかをつかもうとする。理論は不要とみなされてきた大衆文学の領域に初めて分析の筆を入れ,大衆文学を日本の文学的伝統の中に正当に位置づけた力作。

★児玉 清さん(俳優・エッセイスト)「私のおすすめ」(「i feel」出版部50周年記念号より)★
「 もう半世紀も前のこととなるが、ドイツ文学科の学生として大ショックを受けたのは、その小説をドイツ語の原文で読みたいが故にドイツ文学を選んだのに、あれは大衆文学ともいえる作品で、アカデミックではない、と否定されたことだった。作家の名は、S(シュテファン)・ツヴァイクで、その小説とは「西洋将棋(チェス)」であった。理由は、余りにも面白すぎる、つまり通俗的だ、というのだ。面白いのはあやしい。精神的価値は低い。従って真の文学ではない。通俗的な大衆小説である。こうした構図に、面白小説ファンの僕はずっと抵抗を試みてきたのだが、そんな矢先に、遭遇し、感動したのが尾崎秀樹著の『大衆文学』であった。
 大衆文学とは何か、その根幹である「おもしろさ」とは何なのか、理論は不要とみなされていた領域に初めて真っ向正面から真摯に取り組んだ本書は、作品と読者の関係を、また時代の要求を、「商品」としての文学の在り方を鋭く衝いた点でも深く感銘を受けた一冊で、〈大衆文学のおもしろさは、大衆の求めるおもしろさの質を、たかめる操作のなかで発揮されるべきではないか〉の結語とともに読後四十年を経た今日も僕の胸の中に鮮やかに甦る貴重な評論なのだ。」

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