- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 歴史
- > 学陽書房(人物・教養)
内容説明
著名な発明家だった父・佐吉の晩年の夢を受け継ぎ、国産自動車製造を志した長男・豊田喜一郎。外国メーカーの進出・太平洋戦争・戦後不況…、数々の困難を如何にして乗り越えていったのか。豊田家に残された記録や、関係者の証言をもとに、先駆者の辿った波瀾万丈の生涯を描き出す傑作伝記小説。
著者等紹介
木本正次[キモトショウジ]
1912(大正元)~95(平成7)年。徳島県生まれ。神宮皇学館卒業。35年、大阪毎日新聞社に入社。報道部長、編集委員等を歴任し、67年に退職して執筆に専念。新鷹会に所属して、在職中より小説を発表している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kawai Hideki
75
トヨタの創業者・豊田喜一郎氏が、いかにして自動車産業発展の礎を築いたかを追うドキュメンタリー。織機工場の片隅に戸板で囲いを作り、極秘裏に外国産車を分解/組み立てを繰り返す「自動車部」を創設。表向きは「道楽」としてプロジェクトを推進。複雑な構造のエンジンの鋳造に大苦戦したり、流線型のボディを作るための板金をイチから作ったり、東北大に特殊歯車の技術を求めたりしながら「日本の技術力では不可能」と言われていた自動車の試作に成功。戦前・戦中・戦後の激動の時代の中でのオープンイノベーションの原点を見た気がする。名著。2017/03/05
Willie the Wildcat
29
築いた財産は無論、人財。喜一郎氏以上に、周囲の物心両面で企業、発明、果ては産業を支える過程が印象的。加えて、亡き後に痛感する佐吉氏も通った技術者としての「苦悩の道」。両親や、周囲の方々への感謝の念を、改めて感じる読後。”周囲”の観点では、石田氏と岡田氏。その心意気に、現代にも繋がるトヨタ文化の源泉を垣間見た気がする。蛇足だが、社名の”濁点”の件は意外な背景。当時はそれなりにもめたのかなぁ・・・。2014/12/30
SS
2
実は再読、著者も書いているように。小説から伝となっている。事実と小説のバランスが程よい本。2014/09/11