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内容説明
太陽と日本へのあこがれを抱いてさまよった炎の人ゴッホ。ひたすらな情熱のままに絶えず悲劇をはらんで生き、誰にも認められることのなかった天才画家の、苦悩する生命の脈動と魂の純粋さ、激しさ、光りを求め続けた三十七年の生涯を、その行動と足跡と事実の組み立てによって描く。
目次
1 悲惨と栄光
2 勝利者の誕生
3 ボリナージュの苦行者
4 大地につながるもの
5 色彩への開眼
6 太陽の光を求めて
7 耳にほうたいをした自画像
8 オーヴェルに死す
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
18
安野光雅さんの本『絵の教室』を読んで、彼の驚くほどのゴッホファンとしての熱量が伝染し、たまたま購入した本書、一読して今度はゴッホの密度の高い生涯に圧倒される。まぁ、近くにゴッホみたいな人が親戚なんかにいると、結構、迷惑に思っただろうし、その絵は好きにれないのは相変わらずだが。非常な読書好きだったらしく、ネットには「ゴッホの読書」なる論文もあり、ダウンロードして後で読むのか楽しみで、また本書で参考文献に挙がっている多数の図書も面白そう(特に小林秀雄による『ゴッホの手紙』には興味あり)なので、文字から攻めるか2022/11/05
セシル
11
ゴッホ展の前に再読。自伝として読み易くゴッホの人生のみならず終始彼を支えた弟テオの物語でもある気がします。幼少から気難しく不器用で孤独な兄を精神面や金銭面でも支えた弟の献身には感嘆ですね。兄亡き半年後、後を追う様にテオも亡くなります。ゴッホの人生は37歳で画家人生は終盤の僅か10年。心の虚無感を埋めるが如く約2000点もの作品を創作し多数の手紙を残す。「理性が半ば崩壊した」と語る様に、魂を注いだのが絵と手紙から伝わり想いの激しさに胸が締め付けられ泣けました。生前売れたのは1点のみという事実がなんとも…(涙2010/10/19
きい
1
ゴッホについては「ひまわり」の画家というくらいしか知識がなかったけど、彼の生涯についてとても分かりやすく書かれていて勉強になった。存命中に評価されることなく、精神疾患に最期まで苦しみ抜いた人。死に際も壮絶すぎて泣きそうになった。それでも弟をはじめとする周囲の人々にはかなり恵まれていたのが救いだと思う。2023/01/20