内容説明
夫と妻の「役割交換」大実験。売れっ子コラムニストが、ある日、仕事をやめて「家庭に入る」ことを決心、彼はあまりに順調な自分の人生に飽きてしまったのだ。同じ頃、妻の趣味のアクセサリー作りが、ビジネスとして軌道に乗りはじめた―伊丹十三の軽妙な訳文で贈る、主夫になった男の愉快な体験記。
目次
コリーヌが事業家になり、俺は主婦を失うのこと
コリーヌ、俺の夫になるといい出すのこと
俺が退職金の計算をするのこと
俺が遂に辞表を書くのこと
誰も俺を引き留めず、俺は酔い潰れるのこと
俺が主夫としてデビューし、主人のコリーヌを会社へ送るのこと
主夫第一日目の生活で時間が伸びたり縮んだりするのこと
俺が晩めしを作り、コリーヌから百ドルの家計費をもらうのこと
最初の一日が終り、俺は主夫として眠りにつくのこと
料理のこと、あるいは、俺たちの結婚史〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
izumiumi
1
原著は1975年、『ジリアン夫人』(1969年)のマイク・マグレディは、訳者と同じ1933年生まれ。2014年ですらこの夫婦交代にはまだ驚く。訳者あとがきの名言「だから女性解放っていうのは日本では精神的にはほとんどナンセンスでね、女性を解放しようということなら、男が自立すれば一辺に解決するんですよ」2014/06/19
こひた
0
文化的性差を確認するために、一年服装を変えなかった男性ニュースキャスターの話を聞いた直後だったので気になるテーマだった。家庭内ルール改定などでコミカルな描写があるおかげで期待より面白い。後書きは説教くさいが、物質的安定に支えられないと平等を担保するのは難しいってのは考えさせられる。2014/12/15