内容説明
古代のキノコ毒、トリカブト、有毒鉱水、麻薬、インド大麻、毒ブドウ、サソリ、毒蛇、阿片、毒ガス、細菌戦、そして現代の先進科学産業が生みだした「毒」などと人との様々なかかわりの中で起きた数々の事件を追いながら、人類史上における毒の足跡をさぐり、もう一つの人間の歴史を明らかにする。
目次
第1章 毒との出会い
第2章 利用への展開
第3章 医療の黎明
第4章 毒文化―東西への伝播
第5章 ギリシア・ローマ世界と毒の流布
第6章 中近世―毒の万華鏡
第7章 室町・挑山―毒世界への遠近法
第8章 江戸の毒―そのグロテスク
第9章 近代―破滅への行進
第10章 生への回帰
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たけはる
9
以前読んだ『毒の話』に文献として挙げられていたので購入。大変興味深く面白かった。対談形式で毒の文化史が語られていく本著、お二人の博識、読書幅に舌を巻くのはもちろん、単純に毒のみならず、民族学、人類学、政治、薬学、文学、漢方などなどさまざまな分野にまで話の裾野が広がってゆくのがいい。好奇心をバチバチ刺激されました。2021/03/13
aoto
1
まず松本清張の帯と序文が載せられてることに驚きを感じた。ほえーって。毒が人間の生活の中でどのような役割を果たしてきたのか、世界の民俗や、世界史のエピソードを交えて語られる。対談形式になっているが、お二人ともとても詳しく、その知識の放流の速さがなんとも心地いい。古い本ではあるが、内容は決して古びていない。物の見方捉え方が、実に知性に富んでいる。資料集としても、歴史エピソード本として読んでも、有用だと感じられる。2022/03/19