内容説明
これまで女性作家が受けてきた誹謗中傷と、作品を貶める手口を図式化したジョアナ・ラスの問題作『How to Suppress Women’s Writing』を全訳。新たに「テクスチュアル・ハラスメント」という視点を導入し、女性作家に対してなされてきたこれまでの批判そのものを、フェミニズム批評からとらえなおす小谷真理書き下ろし論考100枚収録。本書を読まずに、女性作家の批評はもはやありえない。
目次
1 無言の重圧
2 自己欺瞞
3 行為主体性の否定
4 行為主体への冒涜
5 二重基準の罠
6 間違った分類法による囲い込み
7 「一発屋」神話の真相
8 全集からの締め出し
9 先輩作家不在の危機
10 女たちの反応
11 「価値基準」にまつわる懐疑的論争
この批評に女性はいますか
著者等紹介
ラス,ジョアナ[Russ,Joanna]
1937年ニューヨーク生まれ。SF作家、ワシントン大学英語英文学教授。1972年SF短篇「変革のとき」でネビュラ賞受賞。60年代より過激なフェミニズム論客として知られ、女性ユートピア小説として普及の名作となった長篇SF『フィーメール・マン』、レズビアンとしてのカミングアウト小説『神に対してストライキ』、ポルノグラフィ論『魔法のママたち、震える姉妹』、『ピューリタンと倒錯者』など、SFをバッググラウンドにさまざまな作家・評論家活動を展開し、1988年には、SF研究協会よりすぐれたSF批評家に与えられるピルグリム賞を受賞している
小谷真理[コタニマリ]
1958年富山県生まれ。SF&ファンタジー評論家。1994年に『女性状無意識』(勁草書房)で第15回日本SF大賞受賞。代表作として『ファンタジーの冒険』(ちくま新書)、『聖母エヴァンゲリオン』(マガジンハウス)、『おこげノススメ』(青土社)、共著としてV.Hollinger & J.Gordon,eds.,Blood Read(U.of Pennsylvania P.),共訳書として、ハラウェイ他『サイボーグ・フェミニズム』(トレヴィル)、マーリン・S・バー『男たちの知らない女』(勁草書房)など。日本SF作家クラブ、日本ペンクラブ会員
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新橋九段
ebi_m
-
- 和書
- 扇風機 処女句集シリーズ