内容説明
政府要人の鮮血に染まる白銀の東京。「昭和維新」を掲げる青年将校たちが千五百名余の兵士を率いて首相官邸や警視庁・政府中枢機関を占拠、首相以下政府要人を続々と襲撃して殺害!帝都東京を震撼させた未曽有のクーデター事件の全経過と謎の真相。
目次
プロローグ 決起前夜―首都を震撼させた反乱事件はなぜ起きたのか
第1部 首都・騒乱の四日間(深夜の非常呼集―決起!尊皇討奸を掲げて;暁の要人襲撃(岡田啓介首相襲撃;鈴木貫太郎侍従長襲撃 ほか) ほか)
第2部 戒厳令下の暗黒裁判(圧殺された法廷闘争の夢―軍法会議は決起将校たちをいかに裁いたか;昭和維新を掲げて―2・26事件の決行者たち;「命令と服従」を否定した法廷―「反乱軍」の汚名に泣いた事件後の下士官兵)
エピローグ 粛軍と軍部独裁への道―陸軍の政治介入に翻弄される広田新内閣
著者等紹介
平塚柾緒[ヒラツカマサオ]
1937年、茨城県生まれ。出版プロダクション「文殊社」代表。太平洋戦争研究会、近現代史フォトライブラリー主宰
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かめあい
3
再読。最後まで参加するか迷った安藤大尉が、逆賊と呼ばれ殺されるだろうが自分達のやった事は何十年、何百年後かの国民や歴史家が評価してくれる。と言った事が心に残った。2019/05/08
ジョバンニ
3
図説や写真の多用で、理解しやすい内容になっている。226事件が無かったら、もしくは青年将校達の意向が組まれる結果になっていたら、もしかしたらあの戦争に踏み込むことは無かったのかもしれない。この国にとって、とても大きな転機の事件だったのだ。それなのにあまり周知されていないのは何故だろうか。2013/11/22
takao
2
ふむ2021/07/26
泥さん
2
事件に至るまでの時代背景から、奉勅命令が下り鎮定されたのち、統制派幕僚による軍事介入が行われ、いわゆる「軍部の暴走」が始まるまでを豊富な図版と共に分かりやすくまとめてくれている良著です。カウンタークーデターとしての二・二六事件、また西田税と磯辺浅一の電話記録から窺える北一輝の「霊言」、背後にある秩父宮の存在についてなど、いろいろ興味は尽きません。2015/03/09
利倍亜山
2
第二次世界大戦の本を読んでいるとよくでてくる名前。知らないのでとっかかりとして写真付きのこの本で。紹介されているのは大まかな流れ。やり切れなさを感じる読後感。……安藤が好きかな。「何十年、あるいは何百年か経った後に、国民が、また後世の歴史家が、必ず正しく評価してくれるものと信じています」……まだ今は「後世」にはなってないな2014/02/13