目次
1 ライン上流「鷹の城」から
2 日没なき世界帝国へ
3 オスマン・トルコ来たる
4 花開くバロック
5 マリア・テレジアの時代
6 会議は踊る
7 プロイセンに敗れる
8 多民族ドナウ帝国
9 夢の都ウィーン
10 世紀末精神の輝き
11 サライェヴォの銃声
エピローグ
中欧の復活
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
103
「汝幸あるオーストリアよ、結婚せよ。マルス(軍神)が他のものに与えし国は、ヴィーナス(愛の女神)により授けられん」ハンガリー国王マーチャーシュの言葉といわれるが、マクシミリアン一世が15世紀ブルングルト相続し、息子フィリップ美公、娘マルガレーテによる16世紀スペイン相続、ボヘミア、ハンガリーも相続する。30年戦争でプロテスタントに勝利し、オスマン・トルコを退けた17世紀にオーストリア・バロックがウィーンで花開き、18世紀マリア・テレジアはプロイセン・フリードリヒ大王の台頭により、300年間の宿敵フランス→2022/10/30
HoneyBear
16
オスマン帝国に対抗しうる欧州の政治的・宗教的な盟主として覇を唱えたハプスブルク帝国。宮廷文化が繁栄する反面、産業化の波に乗り遅れプロイセンに敗れ、嘗ての多民族帝国は「諸民族の牢獄」と化し民族運動の波にのみ込まれていく。そして二度の大戦へ。大戦後の汎ヨーロッパ運動にはハプスブルク時代へのノスタルジアがあったのかも。写真や地図、挿絵が豊富で、読み流すだけでも学ぶところが多かった。2016/01/18
おとん707
14
ヨーロッパの歴史は多民族間の歴史で複雑怪奇。特に目まぐるしく支配者と国境線が変わった中欧と言われている地域の歴史を理解するのは難しい。この問題を素人にも分かり易く網羅的に解説した本には今まで出会わなかった。本書の著者加藤雅彦氏はNHKのヨーロッパ特派員や解説委員を歴任したとのことでジャーナリストらしく民族、政治体制、文化等幅広い分野を横断しながら解説していて分かり易い。写真や図版も多く文章と視覚で歴史を捉えられる。題はハプスブルク帝国だが13世紀から1989年のベルリンの壁崩壊までの中欧史を俯瞰できる。2025/02/11
mari
10
中野京子さんの名画で読み解く~を読んで興味が湧いたのでこちらも読んでみました。なんだあっちこっちに内容がバラけていて初心者の私にはわかりにくかったなぁ~。2013/08/06
Tomoko 英会話講師&翻訳者
6
ハプスブルグ帝国の始まりから終わりまで。絵画や写真をふんだんに使ってあるので、興味のある部分を読むのも良し。歴史、文化、芸術、街づくり。オスマントルコは強敵だったんだ。プロイセンの国をまとめるための方針が他の国と違って興味深い(p.48)。民族や宗教の統一と分裂が永遠の課題。2016/02/22