内容説明
「のびる碁は一局の中で必ずオヤッというところを打ってくる」。そのオヤッというのを語るのが、本書の主要なテーマであります。碁の中盤は、定石と布石の基礎建設を土台とした戦いである、と理解していただいて結構です。既着の石をいかに活かし、そして相手のそれをいかに殺すかにすべてがかかっています。“攻防の手筋”と題したのは、その戦闘の急所となるものを掘り下げ、検討しようという意図にほかなりません。
目次
第1章 模様
第2章 打ち込み
第3章 攻め
第4章 サバキ
第5章 手筋
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
134
武宮の初著書の改訂版らしい。模様の作り方、打ち込み、攻め、サバキと順を追い、最後は手筋を総括する。理論の大枠だけでなく、各テーマに沿った小技を多数紹介していて、納得感がある分これを実戦で打てるまで消化するのは大変だろうなと思われた。本書の狙いは、碁の骨格を支える「部分」に光を当てることのようだが、その「部分」を全体の攻防と絡めて説く所に武宮のセンスが感じられる。はしがきに、碁を教えてくれた父の言葉…《のびる碁は必ず一局の中でおやっという所を打ってくる》…を掲げている。その父の手ほどきを思わせるような一冊。2020/11/15