河出ブックス
心理療法という謎―心が治るとはどういうことか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 294p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624969
  • NDC分類 146.8
  • Cコード C0311

出版社内容情報

「心の病」の理論や治療法は数多いが、心が治るとは一体どういうことなのか? 人間のあり方の本質から、心理療法の共通原理を考える

山竹 伸二[ヤマタケ シンジ]
著・文・その他

内容説明

人の心が病むのはなぜか。それはどのようにしたら治るのか―精神分析、認知行動療法、来談者中心療法、ナラティヴ・セラピー…「心の病」の理論や治療法は数多いが、苦しんでいる人にとってどれが最良なのかわかりにくい。心はいかに治されてきたか、その歴史的経緯をたどりつつ、「人間のあり方」の本質を探究し、心理療法の共通原理を考える。

目次

1 心はいかにして治されてきたか?―心理療法の理論と歴史(心理療法の歴史;深層心理学的な心理療法―精神分析の系譜;実証科学的な心理療法―認知行動療法の系譜;実存主義的な心理療法―パーソンセンタード・アプローチの系譜;構成主義的な心理療法―家族療法からナラティヴ・セラピーへ;どの心理療法が優れているのか?)
2 心が病むのはなぜか?―人間の存在本質と心の病(心の病はなぜ生じるのか?;心の病の本質論―フロイトから現象学へ;“心が病む”とはどういうことか?;“自由の主体”の発達;不安からの脱出と自由への道)
3 心の治療とは何か?―心理療法の本質と原理(多様な心理療法に共通する要因とは?;心理療法にとって無意識とは?;各種セラピーの再検討;心理療法の本質とは何か?;現代社会と心理療法)

著者等紹介

山竹伸二[ヤマタケシンジ]
1965年、広島県生まれ。著述家。学術系出版社の編集者を経て、哲学・心理学の分野で批評活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

禿童子

6
著者の山竹さんは、心理学者でも精神科医でもないけど偉大なアマチュアの観がある。心理療法は多数の流派に分かれ効果は似たり寄ったりだが、何をもって心の病が治ったといえるのか、という問題意識は真を衝いている。治療のプロセスは、育児のプロセスをなぞっている。心理療法の「本質」を、「自己了解」「他者の承認」「自己ルールの修正」「一般的他者の視点」と要約し、治療者と患者の二者間の「相互幻想的自己了解」を経て患者の苦悩を解消する点が心理療法の共通点とするのは素人には納得しやすい。個人的には現象学への傾倒が気になる。2016/08/21

素人

3
心理療法を4つの系統(精神分析/認知行動療法/来談者中心療法/構成主義的アプローチ)に分けて概説する第1章が特に有益だった。後半2章では現象学の知見を援用しているが、筆者の考え方の土台にあるのはたぶんヘーゲル。心理療法とは、葛藤する欲望と当為を理性によって統合する過程のこと。この文脈で筆者は、クライアントが「本当の自分」を見出した時点で満足するセラピストを批判している(102-103頁)が、自分がこれまで心理療法に対して感じていた胡散臭さの正体を言い当ててもらった気がした。2021/05/28

チバ

1
とてもよい本だった。生きにくさを感じた時に自らどのような工程を辿っていけば道が開けるのかを教えてもらった。著者は専門家ではないので人間の一般的な存在様式という観点から最終的目標である自由の主体になる方法を説いてくれている。自由を手に入れた事により人間は承認不安が強まり苦しんでいる。しかしこれは決して相容れないものではなく正しい工程をふめば余計な不安を抱え込むこともなく、また身近な人々とのつながりでそれを構築する事が出来るという事を具体的な方法で示唆してくれている。説得力のある本だった。2022/02/03

Go Extreme

1
心理療法の歴史:催眠術→力動精神医学 無意識の発見 ジャネとフロイト 深層心理学的な心理療法ー精神分析の系譜:ユングとアドラー ネオ・フロイト派の対人関係論 自我心理学と対象関係論 論理的統合と自己心理学 ラカン派の精神分析 認知行動療法の系譜 パーソンセンタード・アプローチの系譜  家族療法からナラティブ・セラピーへ 心の病はなぜ生じるのか 心の病の本質論ーフロイトから減少額へ 自由の主体の発達 不安からの脱出と自由への道 多様な心理療法に共通する要因 タスセラピー 心理療法にの本質 現代社会と心理療法2021/02/27

Hidekazu Asai

1
本書は独学で心理学、精神医学を学んだ著者の「なぜ、心は治るのか」をめぐる分析である。 ただただ、独学でこのレベルまでいったこと驚きです。2018/05/26

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11065867
  • ご注意事項