河出ブックス
和食とうま味のミステリー―国産麹菌オリゼがつむぐ千年の物語

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309624914
  • NDC分類 588.51
  • Cコード C0340

出版社内容情報

うま味を追求する独特の食文化「和食」が、日本固有の麹菌オリゼによって発展する過程を描く、悠久の食文化探究ミステリー。

【著者紹介】
1950年神奈川県生まれ。東京大学名誉教授。東京大学農学部を卒業後、国税庁醸造試験所の研究員となる。仙台国税局鑑定官室鑑定官を経て、東京大学農学生命科学研究科教授に。受賞歴多数の麹菌研究第一人者。

内容説明

世界に類を見ない独特の食文化「和食」―素材を活かし、うま味を追求するそのスタイルは、いつ生まれ、どのように発達してきたのか?サイエンスの立場からこの謎に取り組んだとき、見えてきたのは偶然ではなく、必然の積み重ねだった。日本酒の進化に後押しされ、生み出された国菌が、現在の和食を形作ってゆく過程をいきいきと描く!

目次

第1章 なぜ日本人はうま味を求めるのか(原始日本人の食生活;農耕の始まりはいつ? ほか)
第2章 美酒の追求が和食を高める(偶然から生まれた麹菌の活躍―保存食;そもそも「うま味」って何だろう? ほか)
第3章 種麹屋と国産麹菌オリゼの誕生(見える麹菌と見えない酵母;不安定な麹菌による酒造り ほか)
第4章 オリゼがつむぐ調味料と和食(醤油&味噌の共通の祖先「醤」;醤はどこで生まれたのか ほか)
終章 うま味が広げる和食の世界(千二百年ぶりの肉食再開宣言;普及する西洋料理 ほか)

著者等紹介

北本勝ひこ[キタモトカツヒコ]
1950年、神奈川県生まれ。東京大学農学部を卒業後、国税庁醸造試験所の研究員となる。福岡国税局および仙台国税局で鑑定官、醸造試験所主任研究員を経て、1996年より東京大学農学生命科学研究科教授。現在、東京大学名誉教授、日本薬科大学特任教授。日本農芸化学会功績賞をはじめ、数多くの賞を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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mazda

19
米作が盛んなところでは米を使った、麦作が盛んなところでは麦を使ったお酒作りが行われた、というのはごく自然のことで、特に麹を発見したのは大きかったようです。食というのは、奥が深い世界ですね。2016/07/03

ophiuchi

13
「もやしもん」の表紙イラストに惹かれて借りてきたが、アスペルギルス・オリゼ(ニホンコウジカビ)が家畜化された菌であるなどの内容を読んで、何も理解しないまま「もやしもん」を読んでいたことを思い知らされた。全巻揃っているので読み直すことにしよう。2016/06/27

もえたく

12
『もやしもん』の表紙に惹かれて読みましたが、もうけもんなくらい面白かったです。和食の発展に寄与した麹菌の働きに焦点を絞って、麹菌の家畜化の過程を酒造りから説明されているので読みやすく、農芸化学に疎くても楽しめます。著者はこれまで分子生物学の専門書ばかりで一般向けに書かれていないようですが、新書でも、このような本を期待したいです。2016/08/09

5
図書館で表紙に釣られて。まったく理系じゃない私でも面白かった。内容は和食と酒の歴史。古代史は好きだから、食の歴史が縄文あたりから始まってたのも、別視点から見ることになって面白い。縄文期にも納豆があったかも?その頃の酒は果実酒かと思ってたけど、米原料の口噛み酒かも?その頃の食生活を想像すると楽しい。菩提泉は飲んでみたいな。2016/07/08

ココアにんにく

4
「オリゼ」初めて聴いた言葉だがずーっとお世話になっていた。お酒、味噌、醤油などの発酵、そして旨味成分。和食を形作る要素を知ることができた。太古の昔の口噛み酒から種麹屋(もやしや)が生まれ安定生産できるまでの過程が面白い。当時の味が気になります。印象に残る話が、明治時代伊丹と西宮の酒蔵で低温殺菌方法を行うのを見た英国人の驚き。パスツールの考案より300年も前から行われていた。味噌や醤油の始まりや分布、味醂、米酢、そして出汁など興味が湧く。三増酒は気になる話。『もやしもん』は初耳。読んでみよう。2020/12/28

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