内容説明
一冊の絵本の扉をひらくとき、扉のむこうを吹く風になる。ちひろと万智の出会いが生んだ新しい世界。絵本版『サラダ記念日』。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ちはや@灯れ松明の火
48
透きとおるみどりの風のかたちしたリボンがおどる麦わら帽子。絵画の中を、ことばの風が吹きぬける。サ行音ふるわす雨の音、潮風に舞う君のにおい、「寒いね」と答えてくれる人。流れるようなそのしらべ。詩歌の中を、水彩絵の具が満たしていく。あじさい色の雨もよう、ひかりの粒をちりばめた海、ふくらんだスズメさえずる冬の朝。光と影をにじませて。陽をあびたタオルとカーネーション、コスモス畑のよちよち歩き、あたたかく、やさしく見つめられたまぶしい記憶があふれ出す。あいしてる、あいされている、花びらの数よりかさなっている想い。 2014/06/10
海山ごはん
4
俵万智さんの『サラダ記念日』を読んだ、いわさきちひろさんの息子の松本猛が企画した本です。事実、『サラダ記念日』には、ちひろさんを詠んだ歌が収録されているらしく、創作者ふたりの時間の隔たりは有ったとしても、合作に相応しい一冊だと思います。絵を見てから歌を読む、読んでから絵を見る。心穏やかになれる一冊です。2015/09/13
井坂 茜
2
いわさきちひろさん絵、俵万智さん短歌。おふたりのやわらかい世界観がすきなので、とても嬉しいコラボレーション。はじめの一首で一気に引き込まれた。2013/12/04
ayame@児童文学感想中心
0
いわさきちひろ の暖かく透明感あるけれど少し淋しくもある絵と万智さんの柔らかな歌がマッチしてる。どちらも魅力倍増。ページをめくると、静かで穏やかな時間が流れる。