出版社内容情報
近年明らかにされた「がん転移」のカギをにぎる物質「エクソソーム」とは? がん治療への切り札となる最新研究を解説。
内容説明
細胞から発せられ、細胞どうし、臓器どうしのコミュニケーションを担う物質「エクソソーム」。そのメカニズムの究明は、「がん転移」の秘密を明らかにし、新次元のがん治療へ道を拓いた。さらには健康維持・あらゆる医療への応用…。革命的な人体サイエンスの最前線に迫る!
目次
1章 血流で運ばれる「指令物質」発見の衝撃!
2章 なぜ「がん」は転移するか、謎をつきとめた
3章 エクソソーム研究ががん治療を根本から変える
4章 心臓、脳血管、肺炎、糖尿…死因上位の病気を克服する
5章 エクソソームを豊富に含む食品で健康を守る
終章 医療に革新をもたらし生命へのアプローチも変わる
著者等紹介
落谷孝広[オチヤタカヒロ]
1957年、神奈川県生まれ。大阪大学大学院博士課程修了、医学博士。東京医科大学医学総合研究所・分子細胞治療研究部門教授。日本細胞外小胞学会会長。米ラホヤがん研究所(現SFバーナム医学研究所)ポストドクトラルフェロー、国立がんセンター研究所分子細胞治療研究分野主任分野長などを経て現職。エクソソームという細胞間の伝達物質と「がん」の研究で世界をリードする研究者である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
古民家でスローライフ
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細胞、臓器間で、情報を伝達する物質エククソソーム。この物質の発見により、がんが転移するメカニズムを解明して、がん治療に応用可能な技術として確立する可能性について、詳細な研究結果に基づいて、書かれた本。個人的に、医学的な専門知識もなければ、分子生物学の専門的な訓練を受けたことの無い身としては、読み解くには、困難な部分も大きいが、エクソームという物質の果たす役割と、それによって、がんの早期発見や治療だけでなく、それ以外の病気にも応用できる可能性があることには、とても、期待感が持てて、ポジティブな気分になれる2023/09/22
bookmado
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エクソソーム、そして中に入っているマイクロRNA、、画期的です。日本でその研究の第一人者が、私たちのような一般人でもわかるように、わかりやすく説明してくれています。タイトルが胡散臭いのが残念。中身は真面目です。細胞同士が遠隔コミュニケーションに使うパケット通信のようなもの。これでがんの遠隔転移が説明される。逆にそこを妨害すれば転移を止めることも可能かもしれない。もっというと認知症、心疾患などにも応用できそうとの話。科学の基礎研究が着実に新しい未来を切り開く姿が見えて明るい気持ちになりました。2021/08/03
つかなみ
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表題は「がん」ですが、加齢・美容・食品分野の記載もあり、興味深く読むことが出来ました。特に虫と植物、食物と人体のネットワーク形成の一つにエクソソームが使用されていることは面白かったです。只、これらはある程度の基礎知識がないと付いていけないのではないかと同時に感じました。2020/11/08