出版社内容情報
ペスト、マラリア、梅毒、SARS……は、世界の構造とわれわれの生活をどう変えたのか? 人類と疫病との戦いを辿る。
内容説明
古来、人類は疫病に脅かされ続けてきたが、その流行は新たな時代を産み落としてもいた。19世紀に疫学が発展、悪疫を克服したかに見えたが、大規模開発とグローバル化は戦争の長期化や未知の感染症を招いていた…。いま必読の、人間社会vs感染症の攻防史!
目次
新型コロナ渦は、人類と感染症の新たな攻防史の幕開け―まえがき
1章 宗教を生み、古代帝国を滅ぼし、民族を移動させたのは疫病だった
2章 中世を通じて権力闘争のゆくえを左右した感染爆発とは
3章 「モンゴルの平和」下、大ペスト禍がユーラシアの東西を襲う
4章 大航海時代の「交換」がもたらした勢力再編と新大陸の悲劇
5章 科学の発展は、感染症を抑えた国が世界を制する時代を招来した
6章 防疫体制を築いたはずの人類はなぜ再び、パンデミックに襲われたか
著者等紹介
内藤博文[ナイトウヒロフミ]
1961年生まれ。大学卒業後、新書系の出版社に勤務。現在は、歴史、地理、世界と日本、文化、娯楽などの分野を得意とするライターとして精力的に執筆を行なう一方、地方で実業にも携わっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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zag2
24
パンデミックについて考える3冊目。古代のインドから新型コロナまで、歴史的にも、また地理的にも極めて幅広くカバーしているので、様々なエピソードがこれでもかというくらい満載。ただしそれだけに一つひとつのテーマについては、小長谷さんの「世界史を変えたパンデミック」や磯田さんの「感染症の日本史」の方がずっと深く書かれています。様々なことをちょっと知りたいという目的なら面白いかな。2022/02/16
白いカラス
4
確かにスペイン風邪にしろペストにしろ大きな歴史の転換期となったのは間違いのない事実であると思う。しかしここに述べられている歴史の数々が全て感染症と関連したかは疑問である。検証が必要だと思う。2020/08/17
Yohei Kameya
3
感染症が人類と共に歩んできたのが理解できる本。 歴史にウィルスの影響もあったのは間違いないと思う。 だけど何でもかんでもウィルスにこじつけ過ぎていると思った。 2021/01/26
みみずく
3
感染症が世界にどんな影響を与えたか、人類と感染症の攻防史が書かれている。国や民族の滅亡、宗教、戦争の勝敗に感染症が影響していた事は、興味深い史実であった。人類は感染症を押さこえみ、新しい社会を築き上げてきたように、新型コロナウイルスもいつかは終息するだろう。しかし世界に与えた影響は大きく、以前とは違う社会、経済、生活になるだろう。そして、グローバル化が進み、環境破壊が続くかぎり、未知の感染症に脅かされ続けると著者は指摘している。世界史が苦手だった私でも分かりやすく、スラスラ読めました。2020/12/14
HISASHI NAKADANI
2
感染症と人類の歴史の関係についてまとめた一冊。公衆衛生論の入門編みたいなものですね。2020/08/01