内容説明
井戸から這いだし、すすり泣く女。夫に裏切られた妻のあの世からの復讐…。おぞましくも悲しい人間の業を描いた名作怪談の数々にゾクゾクッとする怖い本。
目次
1 この恨み、晴らさでおくべきか―怨念の章(四谷怪談―『四谷雑談集』など;吉備津の釜―『雨月物語』 ほか)
2 げに恐ろしきは、人の業―亡魂の章(耳なし芳一―『怪談・奇談』;牡丹灯籠―『伽婢子』 ほか)
3 惜別の念に駆られ、幽魂出でる―悲泣の章(菊花の約―『雨月物語』;真紅の撃帯―『伽婢子』 ほか)
4 あやかし、現世に現れ人を喰らう―妖異の章(轆轤首―『怪談・奇談』;雪女―『怪談・奇談』 ほか)
5 にわかには、信じられぬ―怪奇の章(死神―落語;継母、娘を殺す並びに柱に虫喰ひ歌の事―『善悪報ばなし』 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
148
現代の言葉で書かれ非常に読み易い日本古来の怪談話は、日本ならではの風情があってやっぱりいいですよね。日本人の感性は未来永劫そう簡単に変わるものじゃなく今後とも永遠に読み返して行きたいですよね。「四谷怪談」「番町皿屋敷」「牡丹灯籠」や小泉八雲の「怪談」と言った有名な話の他にもレアな怪談話も多く収録されているのが嬉しいですね。『死神』借金苦の男の所へ死神が現れ同情して金儲けの秘策を教える。病人の近くに必ず立つ死神が枕元にいたら命が助からないが足元ならまだ救えると言う。男は成功するが調子に乗り過ぎてしくじる話。2020/08/30
大空愛
2
薄い本ですが、風邪をひいて寝込んでる間気晴らしの様に読みました。昔の日本の怖~いお話がいっぱいで、小さい頃母親に『まんが日本昔ばなし』の絵本を読み聞かせして貰った時の事を懐かしく思い出し乍読んだので、中々楽しめました?雪女とか、貉とか定番ですねぇ、懐かしいなぁ✨歴史上の人物とかも名前がちらほら出てくるので、逸話とか探してみたくなっちゃった?昔ばなし好きなのです?中には『えっ、その後どうなったの⁉?』ってツッコミを入れたくなるお話もあって、じっくり読むよりは、暇潰しにもってこいって感じかなぁ✨2017/11/26
志村真幸
1
江戸期の怪談を現代語訳したもの。 『雨月物語』『伽婢子』『諸国百物語』『狗張子』などから選ばれた38篇が収められている。 「四谷怪談」や「雪女」など有名なものが多いが、ややマイナーなものもいくつか。 読みやすい文章になっており、さらさらと味わうことができる。 この手の本をよく読んできたひとには物足りないか。 2017/11/22
花々
1
大人向けの怖い昔話風。一話づつが短く読みやすい。知っている話もあり、面白かった。2013/07/14
かっこう
1
有名な話からマイナーな話まで実にさまざまな怪談話がのっていたけど、一番面白かったのは「耳なし芳一」。半分以上の話はオチもなくてイマイチだったなぁ。2011/06/21