内容説明
「私は、自分の考えをまぎらわすため、夢想の中で、想像を絶する幻の宮殿を、並みの人間の才能が思いつく限りのもの(洞窟や、塔や、庭園や、城や、美術館や彫刻)を建て、原初の時代の古い建築のすべてをよみがえらせようとしたのだった。」(シュヴァルの「ノート」より)しがない郵便配達夫が、三十三年という歳月をかけ、たった一人で築き上げた夢の宮殿。その驚くべき真実。
目次
第1章 オートリーヴ
第2章 単独歩行者の夢
第3章 村の気違い
第4章 「終わりなき静寂と休息の墓」
第5章 理想宮案内
第6章 死後の栄光
第7章 三人の大無意識家―シュヴァル~ルソー~ルーセル
著者等紹介
岡谷公二[オカヤコウジ]
1929年東京に生まれる。東京大学美学美術史学科卒。フランス文学・美術・民俗学
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感想・レビュー
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ネムル
5
33年かけて理想宮を完成させた後に、8年を経て己の廟堂まで作っていたのは全く知らなかった。しかも、理想宮に劣らずけったいな建築。そして、60年代に技術的な面による崩壊と保存活動の瀬戸際でこれを救ったのが、当時の文科相アンドレ・マルローだった。68年にアンリ・ラングロワをシネマテークから更迭した本人なので、勝手にくそったれな奴だとばかり思ってた。この二点が、一番の驚き。シュヴァルとアンリ・ルソー、レーモン・ルーセルを比較する「三人の大無意識家」は興味深くも、30頁ほどの小文ではさすがに食い足りない。2013/06/22
ishida
1
別の本で見て気になって手に取ったが、思った以上にヤバかった。実物観に行きたい2024/04/08
つだしょ
1
シュヴァル自身、「病的な」想像力で宮殿を構想したと言っている(p41)のが深い。<それでも>つくらざるをえなかったのはなぜか。「郵便配達シュヴァルの天井に蜘蛛の巣がかかった(p63)。」また、系統的に引用されている資料や、伝記的事実は参考になる。シュヴァルのノートなど。でも、ルソーやルーセルらと比べたり、同じように論じたりするのは、「そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない」ことでしかない。ただ、シュヴァルの評価を高める積極的なこころみのひとつであろう。2012/08/09
はにゅ
0
道でであった奇妙な石。これがきっかけとなり、彼は自分の力で少しづつ「理想宮」を作っていったのです。芸術家でもなく、建築家でもないのに、突っ走り方がぱねえっす2007/04/29
みつけ
0
双頭の悪魔に出てきたので、気になって。般教のレポートの題材にします2012/06/12