内容説明
男は可愛い女の代表として〈モンローのような女〉を追い求める。男のイメージの中に生きる女=〈どこにもいない自分〉を求めて、己を見失っていく女たち。男にとっての〈ここにいる女〉とは母親なのか?1972年、ウーマン・リブへの嘲笑の中で果敢に書き下ろされた、幻の書。今、時代が田中美津に追いつき、〈女たちはここにいる〉。すべての女たち必読の書。
目次
1 リブとはなにか
2 個人史
3 出会いへの模索
4 子殺しの女とリブ
5 新左翼とリブ
6 資料
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mfujita
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ここまでさらけだすということが、この人にとっての真剣さ、自分自身に対する誠実さなのかもしれないと思う。たがいに矛盾しつつ存在する本音をみつめるところからはじめ、共感に甘えず他者に「出会っていく」ということばに賛成しつつ、同時に自分自身のことばでそこに、本書で言われるところの「今ここにいる私」にたどりつきたいという気持ちが湧いてくる。どういう経路で、という部分について考えると、(漸近的にではあるけれど)それはかぎりなく個人一己を始点としている。それは引用ではない、女性のことばをとりもどす意味でもあると理解。2019/12/31