内容説明
アフリカでほそぼそと暮らしていたホモ・サピエンスが、食物連鎖の頂点に立ち、文明を築いたのはなぜか。その答えを解く鍵は「虚構」にある。私たちが当たり前のように信じている国家や国民、企業や法律、人権や平等も虚構であり、虚構こそが集団を協力に導く。人類の誕生から狩猟採集、農業革命を経て、歴史は統一に向かう。世界二五〇〇万部を超えるベストセラー、記念碑的名著!
目次
第1部 認知革命(唯一生き延びた人類種;虚構が協力を可能にした;狩猟採集民の豊かな暮らし;史上最も危険な種)
第2部 農業革命(農耕がもたらした繁栄と悲劇;神話による社会の拡大;書記体系の発明;想像上のヒエラルキーと差別)
第3部 人類の統一(統一へ向かう世界;最強の征服者、貨幣;グローバル化を進める帝国のビジョン)
著者等紹介
ハラリ,ユヴァル・ノア[ハラリ,ユヴァルノア] [Harari,Yuval Noah]
イスラエルの歴史学者、哲学者。1976年生まれ。オックスフォード大学で中世史、軍事史を専攻して2002年に博士号を取得。現在、エルサレムのヘブライ大学で歴史学を教えるかたわら、2020年のダボス会議での基調講演をはじめ、『ニューヨーク・タイムズ』紙、『フィナンシャル・タイムズ』紙への寄稿など、世界中に向けて発信し続けけている
柴田裕之[シバタヤスシ]
翻訳家。早稲田大学・Earlham College卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
122
世界的ベストセラーになったと言う歴史学者、哲学者ハラリの著作(英語版2014年)。このたび、漸く邦訳の文庫版が出たので購入。ホモ・サピエンスがいかにして地球上の支配者となったか、その歴史を辿る。幾つもの種が並存していた人類で何故サピエンスが他を圧倒し唯一生き延びているのか?現生人類に良く似た生物が姿を現したのは約250万年前。それから長い長い期間、他の生き物の中で突出することなく世代を重ねていたが、約7万年前突如、認知的能力に革命的変化が起き言語による意思疎通が可能に。これにより伝説、神話、宗教など⇒2024/03/30
ふみあき
85
狩猟採集時代より、農耕社会が始まってからのほうが、人類全体の繁栄はともかく、個人レベルでは、むしろ生活が苦しくなったとか、にわかには信じがたい(が、事実なんだろう)。2024/01/01
esop
75
進化は強い社会的絆を結べる者を優遇した/ホモサピエンスが世界を征服できたのは何よりもその比類なき言語のおかげではなかろうか/言語は噂話のために発展したのだそうだ/人々は自らの決定がもたらす結果の全貌を捉え切れないのだ/想像上のヒエラルキーはみな虚構を起源とすることを否定し自然で必然のものであると主張するのが歴史の鉄則/貨幣は他の人々が特定のものを信じていることを信じるように求める2024/11/01
優希
58
ホモ・サピエンスが食物連鎖の文明をいかに作り上げていったかが分かります。当たり前のように信じている人権は虚構であり、虚構が集団を協力に導くのが興味深かったです。歴史は統一に向かっていくのですね。下巻も読みます。2023/12/15
そうにゃん
44
先ずは上巻を読了。45億年前の地球誕生からの歴史年表が冒頭から綴られている。思っていたよりわかりやすく書かれていて興味が増していった。認知革命、農業革命について細かく描かれ、多少の知識不足でも置き去りにされることなく読み進めることができる。多くの方に手に取ってもらいたい。農業が始まってからの影響や貨幣による交易の発展など深く理解できた。下巻も期待。2024/03/10