出版社内容情報
夜の思想家バタイユの代表作50年目に新訳で復活。鋭利な文体と最新研究をふまえた膨大な訳注でよみがえるおそるべき断章群。
内容説明
「生きることは、狂ったように、だが永遠に、サイコロを投げることだ」―いまなお世界を震撼させつづける「夜の思想家」バタイユの代表作を五十年ぶりに新訳。破格の書物が鋭利な文体と最新研究をふまえた膨大な訳注によって新たによみがえる。「神なき神秘」に捧げられた恍惚、好運、笑いをめぐる極限の思考がきらめくおそるべき断章群。
目次
友愛
現在の不幸
好運
笑いの神性
補遺
ハレルヤ―ディアヌスの教理問答
著者等紹介
バタイユ,ジョルジュ[バタイユ,ジョルジュ] [Bataille,Georges]
1897‐1962。思想家・作家・批評家。その後の思想・芸術・文学などに大きな影響を与える
江澤健一郎[エザワケンイチロウ]
1967年生。フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やいっち
22
読んで、ほとんど理解できなかった。かなりハイブローなアフォリズムの数々に翻弄されるばかり。解説を読んでも、分かったような……やはり不全感。 それでも、読み通したのは、神や死や戦争や愛、女への真摯な問いかけと、背を向けるしかない絶望の念の切迫感があったからだ。 ニーチェ(のアフォリズム)の哲学からの影響が言われるが、ヘーゲル、特に「精神現象学」のヘーゲルの影響を感じた。2018/06/04
吟遊
13
柔軟で虚無的で性的で賭博を愛する叫び。2018/10/04
王子
13
これを読んで初めてバタイユの思想に入門できたという印象。小説は読んだことがあるけど…という人など、いちど手に取ってみてほしい。僕もよくわかっていないので、まとまった感想は書けないが、激烈な読書体験だったことはたしか。読書というか、ひとつの体験として貴重なものだった。2018/09/09
∃.狂茶党
7
笑いと、エロティシズム。 賭けること、サイコロを投じること。 バタイユが、孤独でありつつ世界と関わる、交流することについて、かつて逃げ出した世界、それゆえに、部外者として見ている世界に、身を投じるための手口。 中略 回答は慎重に避けて通られる。 回答がなければ、問いは永遠に続けられる。2021/07/25
井蛙
6
「もう書きたくないよ」とか「さっきのは酔っ払った勢いで書いた」とか書いてるオモロい本。バタイユは自身の生そのものをヘーゲル哲学へのアンチテーゼとして消尽しようとしている。金字塔のような体系にあって、なんだかよく分からん汁やら液体やらを噴き出している裂け目がバタイユ自身である。そしてこの裂け目とは、女性器であり、個別性であり、剥き出しの猥褻さであり、ecstasyであり、petite mortであり、死の予感であり…そして書物でもあるのだ。「女の股を開くみたいに本を開け」そうすれば私たちも晴れて有罪者だ。2018/08/30