内容説明
三十四歳の平凡な証券アナリスト、ニックは、科学研究所の事故に巻き込まれ、透明人間になってしまう。透明な体で食物を食べるとどうなる?会社勤めはどうする?生活費は?次々に直面する難問に加え、秘密情報機関に追跡される事態に…“本の雑誌が選ぶ30年間のベスト30”第1位に輝いた不朽の名作。
著者等紹介
セイント,H.F.[セイント,H.F.][Saint,H.F.]
1941年生まれ。ドイツのミュンヘン大学で哲学を学び、ニューヨークの実業界で活躍。87年、『透明人間の告白』を刊行。足かけ四年の歳月をかけて書きあげたこの処女長編は刊行前から出版界の注目を集め、大ベストセラーとなり、映画化もされた
高見浩[タカミヒロシ]
1941年、東京生まれ。東京外国語大学卒。出版社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
goro@the_booby
53
透明人間になったら何する?と言われればここでは言えないようなことを想像してしまうのは俺だけか?と思わないでもないが、透明人間になるのも辛い物があるなぁ~。ニックに安住の地があるとは思えないけど悲しい結末になるのか!?と下巻へ突入。2019/10/14
トムトム
29
家にあって読んだ記憶のない本。何だっけ?と読んでみたら、主人公の状況・何で透明になったか・透明になった場合こんなルールですの説明が、まあ退屈!読んだ記憶がない訳です。上巻の終わりの方で、追いつ追われつの頭脳戦っぽくなってきました。昔よりもつまらないなと思っても読み続ける忍耐力がついたようです。活字中毒が悪化しているとも言える。2021/06/30
きゃれら
18
初読は新潮文庫で本の雑誌やこのミスに目を通し始めたころだからもう30年以上前。その後河出に移ったのも認識していたが手に取らずにいた。最近近所の本屋で再流通本を下巻だけ見つけて、読みたい欲が沸き上がり図書館で予約した。猛烈に面白い、との先入観を裏切る序盤のかったるさ。なぜ面白くないのかを考えながらの読書になった。何よりまず主人公が魅力的でないし、こういうサスペンスもの特有で仕方ないが、知能のレベルが作者の都合で上下するのがちょっと。しかし、透明になってからの暮らしぶりはある意味読ませる。下巻へ。2025/01/04
ぐうぐう
17
例えば、キングの『呪われた町』が吸血鬼を現代に蘇らせたように、ルーカスの『スター・ウォーズ』がスペースオペラを復活させたように、使い古された題材を今に活かすには、現代的で新鮮な視点が必要となってくる。セイントの『透明人間の告白』は、タイトル通り、透明人間が登場するのだが、この小説がユニークなのは、これまでの透明人間ストーリーが、透明人間の能力を得意げに披露していたのに対し、透明人間であることの不自由さを描いていることだ。この逆説的な着眼点こそが、実に現代的で、何よりも共感を呼び起こしている。おもしろい!2012/02/15
そうたそ
12
★★★★☆ 感想は下巻にて2018/08/10