内容説明
開拓時代の名残りをとどめる綺譚から都市の恐怖まで、アメリカ怪談のエッセンスを収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
26
【日本の夏は、やっぱり怪談】〈其の三・和洋折衷〉89 年(平成元年)の税抜583円の河出文庫初版。消費税3%が開始された。19年に同社復刊新装版が出たから今でも読める。建国からの歴史の浅い米国だが、編者荒俣氏が心霊、呪術信仰、オカルト科学、先住伝承などを上手く紡いだ…もとより作家の面子と作品の質は米国89年では充分過ぎる選択肢がある。当然だが今読めば既読が多いのはご愛敬。ビアスはオチの無いミステリ。ポオの「悪魔に首を…」は、あの“刃の付いた振子”の一年ほど前の作品で最後の一行が一番面白い皮肉。★★★★☆☆2025/08/16
かわうそ
24
作品の質というより翻訳が古く感じられるかどうかという点で多少の玉石混淆感はあるものの総じて楽しく読んだ。ジェームズ「古衣装のロマンス」、ラヴクラフト「忌まれた家」、ブラッドベリ「ほほえむ人びと」あたりがお気に入り。2016/09/14
shamrock
5
怪談集名だけあって、ダークなイメージの作品を多数収録。やっぱりブラッドベリは読ませるね。結末は予想はつくんだけど、うまいな。お気に入りはビアス「ハルピン・フレーザーの死」、ヘクト「死の半途に」ケラー「月を描くひと」2013/10/16
本の虫・・・になりたい
2
H・ジェイムズの「古衣裳のロマンス」が怖い・・・というよりも 女の情念がうまく書かれていて関心しました。心理小説。姉妹ではあるけれど女の戦い。二人の女の間に挟まれて右往左往する男の姿は洋の東西を問わず変わりませんね~(笑)。最後のシーンで姉が不可解な死を遂げるところは色々と考えさせられます。 ブラッドベリ「ほほえむ人びと」はこのアンソロジーで最もうす気味の悪かった佳品。死体相手に「会話」する主人公のサイコパスさが怖い。2014/05/29
madhatter
2
大好きなフリーマンが収録されていたと再読。読み返して、彼女らしからぬ作品だったことに気付く。その作風は古さが魅力と言えるが、「寝室の怪」は違う。寝室で事件が起こる理由、あらわれたものは全く説明されず、単なる因果物から脱却しているように思われた。家の貸し手に、短く意味深長に触れられるのも怖い。説明されないが故に怖いというのは、当時は新しかったのではないか。同じことは「月を描く人」にも言える。その他お気に入りは「牧師の…」「木の妻」「邪眼」(さすがウォートン)「悪魔に首を…」(コミカル)「ほほえむ人々」。2010/06/18
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