出版社内容情報
【目次】
内容説明
人類の知能を飛躍的に高めた現象は、七日目に終息することが判明した。この〈輝きの七日間〉で、科学技術は、宗教対立は、貧困は、食糧危機は、気候変動は、いったいどのような影響を受けるのか?世界は少しでも変わるかもしれない―著者最期のメッセージが込められた幻の本格SF長編、決定版。
著者等紹介
山本弘[ヤマモトヒロシ]
1956年、京都府生まれ。作家。京都市立洛陽工業高等学校電子科卒業。ゲーム制作、漫画原作、アンソロジー編集など、幅広い分野で活躍。「と学会」初代会長(2014年に退会)。78年、「スタンピード!」で第1回奇想天外SF新人賞佳作に入選。87年、ゲーム創作集団「グループSNE」に参加し、88年、『ラプラスの魔』にて小説家デビュー。2011年に『去年はいい年になるだろう』で第42回星雲賞日本長編部門、16年に「多々良島ふたたび」で第47回星雲賞日本短編部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
rosetta
35
★★★★☆宇宙からの放射によって全人類が驚異的な知性の向上を果たした奇跡の七日間も終わりに近づく。2011年から翌年にかけて連載されながら長らく出版されなかった本書が著者の死後にやっと世に出た。山本さんの希望や夢が託された遺作を読めてよかった2026/02/25
特盛
21
評価3.7/5。SF作家山本弘の遺作長編。ベテルギウスの爆発により飛来した粒子で7日間だけ全人類の知能が劇的に向上するという設定。人が戦争を起こしたりや宗教を信じるのは知能が低いからだ、という前提で物語が描かれるが、そんな単純なもんではなかろうとも思う。とは言え、ト学会会長として科学的な視点から陰謀論やトンデモ説を切ってきた作者らしい思いの詰まった読み応えのある作品であった。2026/06/12
活字スキー
17
【なぜこんな当たり前のことに気づかなかった? なぜ現実を見ようとしなかった?】概要は予め知っており、慣れ親しんだ山本節の展開はサクサク読めて、気になるのは最後の落としどころだけ⋯⋯と思ったらほとんどオチなし。エンタメ的な楽しさは皆無だし、普段SFを読まず、まして本作が初山本作品という人には全くオススメできない。ズバリ言ってしまうとSF小説としても面白くなかった。しかし、長年のファンとしては山本先生の本質を全力のド直球で投げ込まれたら胸をえぐられるよ。【ひと言で言えば、人間は愚かだから】2025/11/19
本の蟲
16
全人類の知能を劇的に向上させた一大イベントは、期間限定七日間のみ。再び絶望的に愚かだった自分に戻る日が迫る。再び誤解と暴力が蔓延する、先の見えない世界に戻る日が迫る。賢く優しい存在となった人類がそれぞれ取った選択は? 傑作SF「アルジャーノンに…」を地球規模に拡大したSFファンタジー。真の知性とは冷たい論理や競争原理の勝者ではなく、優しさであるという希望。そして今なお、取返しのつかない道に突き進む人類への警鐘を鳴らす作品。作品のような奇跡に期待できない、リアル人類の明日はどっちだ2026/01/06
hide
12
そうか。これは著者の祈りか。決して手が届かない、高い高い理想を仰ぎ見て、もがいている私たちの可能性を。「輝きの7日間」 で示された道の先にある、あるべき世界の形を。著者は、きっと信じている。彼の声が聴こえる__作家が小説を書くのは現実逃避じゃない。現実と戦うことだ。この間違った現実を否定するために、正しいフィクションを提示しなくてはならない。そう。だからこそ、これは祈りなんだ。2026/06/05




