内容説明
明治、大正、昭和戦前の怪談、奇談、不思議話、猟奇事件を、当時の新聞、雑誌、著者の伝聞から全百八十五話収録。あの時代の、世相・民衆の心情が色濃くうかがえる貴重な稗史の民俗資料ともいえる。戦争の幽霊譚からタクシーの怪まで、元祖・実話の宝庫集。巻末付録「近代猟奇年表」。
目次
明治篇(生首が転がっていた大江戸と怪盗斬殺奇異;僧侶はチョン髷の鬘をかぶって伊勢参拝;七日七夜、逆立ちの難行苦行を志した奇人 ほか)
大正篇(蚕を喰い荒らす土竜のような尾の裂けた怪獣;毎日豆腐五丁ずつで生きている奇妙な男;死んだ女が十人も子を産んでいる怪事件 ほか)
昭和篇(神告で発掘された観音像の霊異と女行者;笑うと体がグニャリと海月のようになる女;顔が人間に似ている一つ目の不思議な馬 ほか)
著者等紹介
富岡直方[トミオカナオカタ]
生没年・詳細不明。怪奇、犯罪、猟奇、宗教研究家。皷川(鼓川)号で、少年少女小説も執筆した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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ポチ
41
明治から昭和初期にかけての話。びっくりするような話が多く、新聞にも掲載されほぼ事実らしいのには驚いた。良くこれだけ蒐集したもんだとこれにも驚いた。2024/06/29
雨
24
昔の人も怪奇や不思議な話が好きだったのかな?2024/06/13
Porco
13
明治元年〜昭和(第二次世界大戦前)にかけて、正しい意味での猟奇趣味で数奇ものな作者が蒐集した実話集。当時の新聞記事からの出典もあったりと当時の世相や大衆文化が垣間見えたりする話もあり面白い。つらつら目次を眺めるだけでも架空の奇想小説のタイトル群と疑わしくなる。最後に著作権継承者を訪ねていることからまだ富岡氏の遺族は見つかっていないのかな。2024/12/24
有理数
9
明治、大正、戦前までの昭和に語られた怪談・奇談、猟奇事件を、当時の新聞・雑誌記事や著者の伝聞からまとめた一冊。御船千鶴子の透視実験や、地震予知の逸話でも知られる椋平広吉などの、オカルト史の人物に関する報道や、怪物の目撃情報、心霊写真、都市伝説、さほど怖くない不可思議な話……これらを新聞記事や雑誌が、本当に世に向けて発信している、ということの興味深さ。個人的に驚いたのは「タクシーが不思議な乗客を乗せ、到着したと思ったら乗客が幽霊だった……」という話が昭和7年(1932年)に存在していたこと。面白かった。2025/03/30
ユッチー
5
明治~昭和の新聞や雑誌に載っていた怪奇な物語をまとめた一冊。一つ一つがとても短いが、それ、本当にあった事なのか? と首を傾げたくなるような物ばかり。世の中まだまだ科学では解決できないような事が溢れているようだ。2024/08/10
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