内容説明
私たちが目の色を変えて探し求める「究極のカレー」などというものはこの世にありはしないのだ。カレー料理にあるのは、大らかな自由だけなのだ。―首さしのべて鍋の中を覗きこむ私の眼から、新しい芽がピョンと出た!そんな食べ物と出会う「自由」を求めて、世界各地を食べ歩いた記録をまとめるベストエッセイ集。“高峰秀子生誕100年記念”企画。
目次
わたしの手料理(私の手料理 リンゴ汁のカレー;オサンドンと口述筆記のアパート住まい ほか)
想い出の味(卵・三題;眼から芽が出た ほか)
食はやっぱり中華にあり(自力回復 台湾薬膳旅行;白日夢 北京宮廷料理 ほか)
世界食べある記(ハワイアンの食器は木の葉の皿、ココナッツの椀;プリ・フムリの“最後の晩餐” ほか)
和洋、あの店この味!(「乃り泉」に寄らなければ京都へ来た気がしない;二十年通いつめた店「志る幸」ほか)
ルイ王朝風仏蘭西料理店で高峰秀子さんと念願のデート(塩田丸男対談)
著者等紹介
高峰秀子[タカミネヒデコ]
1924年生まれ。女優、エッセイスト。五歳の時、松竹映画「母」で子役デビュー。以降、「カルメン故郷に帰る」「二十四の瞳」「浮雲」「名もなく貧しく美しく」など、300本を超える映画に出演。『わたしの渡世日記』(日本エッセイスト・クラブ賞受賞)など著書多数。夫は脚本家で映画監督の松山善三。2010年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetsubun1000mg
18
高峰秀子さんは昔の映画や画像でしか見た覚えがないのでどんな方かもちろん知らないのだが面白く読めた。 一番古い文章は1951年だが、メインは1980年代で40年以上前のエッセイが中心となっている。 昭和を代表する女優さんらしく台湾、香港、中国、アフガニスタンなどいろんな国を訪れるのだが食べた料理や食材のことがメインなので読みやすいい。 高峰さんは自分のことを食いしん坊と称して、いろんな料理に興味を示して挑戦されているようで内容も豊富。 夫の映画監督の松江氏に対しては「夫、ドッコイ」と呼び仲が良いようだ。2024/01/03
なにょう
12
【購読】とにかく濃ゆい内容で、読み終わるのがもったいないながらも、ようやく読み終えた。世の中に食に関するエッセイは枚挙にいとまがないが、この方のものは、その中でも白眉じゃあるまいか。★天安門事件前夜の北京、アフガニスタンやらエジプトまで。はたまた夫のためにつくる食事。カレーやラーメンについて。すっかりご馳走様でした。2024/04/14
niz001
8
ホンマによく食べるなぁ。食べるの好きなんが伝わってくる。タピオカはドイツで病人食として食べられてるんや。2023/09/11
ぱ隹越九朗
4
食事を楽しむヒントになる一冊でした。軽妙ながら情のにじむ夫婦関係の書き方も良かったです。2023/11/13
にやり2世
3
旦那さんのために料理をつくる話は読んでてほんわかする。2023/11/03