内容説明
グローバル時代において、著作権の陥穽に陥らないためには、アメリカ著作権の基礎知識は必須。日本のフェア(公正)が、アメリカのフェアユースになり得ない著作物利用の危なさを、具体的に指摘したアメリカ法実務第一人者による画期的な著作!重要判例、フェア・ユースの法理など、最新情報を盛り込んだ増補改訂版。
目次
米国著作権法の特質
保護される著作物の範囲
わが国著作物の保護
著作物の保護要素
形式的要件
著作者の概念
著作権の範囲
著作者人格権
フェア・ユーズ
デジタル・ミレニアム著作権法(DMCA)
著作権の保護期間
著作権の譲渡と使用許諾
著作権侵害の認定方法
著作権侵害に対する救済措置
著作権侵害訴訟の主体
著作権侵害訴訟の裁判管轄と準拠法
著者等紹介
山本隆司[ヤマモトタカシ]
弁護士(第一東京弁護士所属)、弁理士、米国ニューヨーク州弁護士。1954年生まれ。1978年東京大学法学部卒業、旭化成株式会社勤務を経て、1988年弁護士登録。1992年コロンビア大学ロースクール卒業、法学修士。1995年インフォテック法律事務所設立。文化審議会著作権分科会専門委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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富士さん
4
日本の著作権運用の実態を知るには、アメリカの著作権法の知識は必須です。本書はそのための基礎知識をちゃんと満たしてくれますが、著作権概念の基礎にある精神から説き起こしており、そういう意味でも基礎知識を満たしてくれます。著作権とはこうあるべきだ、から始まり、それを汲んで法が作られ、判例が示され、運用される。不勉強なせいかもしれませんが、こういう体系性は日本では聞きません。この体系性のために争点が整理しやすく、素人の陪審員にもわかりやすい。だから、裁判所がある種の代議制議会として機能しているのだと感じました。2021/03/21