出版社内容情報
親鸞の声を現代の生きる言葉に訳した、詩人・伊藤比呂美の歎異抄、決定版。親鸞書簡、和讃や、自身の「旅」の話を挟んで構成。
内容説明
訳というが、わたしにとってそれは、異質なことばを身の内に取り込み、それと同化しながらも差異を発見し、自分の声に移し替えるという作業である―古典新訳に定評のある著者が親鸞の声に惹かれて訳した歎異抄、和讃、書簡、正信念仏偈。カリフォルニア、熊本、東京と行き来する自身を綴った「旅」とともに味わう画期的歎異抄。
目次
ゼロから始める歎異抄
たどたどしく声に出して読む歎異抄
歎異抄前
旅
歎異抄後
旅
和讃 ひかりのうた
旅
親鸞書簡前
旅
親鸞書簡後
旅
和讃 かなしみのうた
旅
恵信尼書簡
旅
和讃 母や子のうた
旅
正信念仏偈“むげんのひかり”さま
旅
和讃 うみのうた
著者等紹介
伊藤比呂美[イトウヒロミ]
1955年東京都生まれ。詩人・作家。青山学院大学入学後、詩を書き始め、78年現代詩手帖賞を受賞してデビュー。99年『ラニーニャ』で野間文芸新人賞、2006年『河原荒草』で高見順賞、07年『とげ抜き新巣鴨地蔵縁起』で萩原朔太郎賞、08年紫式部文学賞を受賞。15年早稲田大学坪内逍遥大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メタボン
25
☆☆☆☆ とても読みやすい、言葉の響きが良い歎異抄。歎異抄そのものを読む力は今の私にはないが、その核のようなものを、伊藤比呂美が詩的でわかりやすい言葉で訳してくれた。マルチン・ルターは讃美歌でキリスト教を広めた。親鸞は和讃で仏教を広めた。宗教にとって歌や音楽の果たす役割は大きいのだろう。ただ南無阿弥陀仏を唱え、一心にすがる事で、浄土に生まれ変わることができる。また違う角度から歎異抄を掘り下げてみたい。2025/01/10
chie
16
やっぱり歎異抄はすごいなと思う。歎異抄、それ自体が、私にとっては、とてつもなく有難い教えが説かれているのだけれど、伊藤さんのこの訳を読むと、親鸞の懐の大きさがダイレクトに伝わってくる様な気がする。歎異抄、書簡、和讃、正信念仏偈が、伊藤さんの悪夢の様な近況をはさみながら綴られていく。タイムスリップを繰り返している様な不思議な気分にもさせられた。これもお守りとして。2023/02/15
こばやしこばやし
10
多分、初伊藤比呂美。ラジオで温い声質で、粘りのあるユーモラスな語り口が印象的だった。歎異抄の意味よりも唯円の文章を媒介に、親鸞の声をシャーマン的におろしている感じの本だった。訳の間に挟まれる「旅」と言う短い文も独特で、高く遠い視座から自己を客観的に捉える一方、自己の目から見たものを脳内で分析する過程も簡潔に捉えていて面白かった。正直、一回では味わい尽くせませんでした。和讃の温かみは訳によるのか、内容によるのか分からないが、発心させる力は感じた。2022/07/06
チェアー
5
こちらは詩人による歎異抄。ほとんど詩の形で現代語訳されている。こちらの方が原文に近く、読みやすい。ただ、説明が少ないので高橋源一郎訳を好む人もかなりいるだろう。 短期間で歎異抄を繰り返し読んで、少し親鸞の考えが伝わるようになった。ただ、こんな一知半解な思いが傲慢さにつながるのかもしれないが。2024/01/17
Rico.genge
4
高橋源一郎さんの歎異抄に続き伊藤比呂美さんの歎異抄を読みました。高橋さんが「僕の解釈」とおっしゃっていたのに対し伊藤さんは「なるべくその通りに訳した」とおっしゃっていましたがその通りでした。読む順番として「高橋→伊藤」で間違っていなかったと思いました。予備知識ゼロだった私にとっては高橋訳で全体を把握した後に伊藤訳で一つ一つの理解を深めるという順序がとてもしっくり来ました。17歳の夏休みに祖父の家に滞在中、毎朝大きな仏壇の前で祖父と一緒に意味も知らずにお経を読みました。あとは阿弥陀様におまかせするだけです。2024/01/20
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