出版社内容情報
墜落現場の特定はなぜ遅れたのか。目撃された戦闘機の追尾と赤い物体。元同僚が王渾身のノンフィクション。ベストセラー、初の文庫化
内容説明
一九八五年八月十二日、日航ジャンボ機が御巣鷹の尾根に墜落した。だが、この事故にはいまだ解明を拒む、不審な謎が多すぎる。追尾が目撃された二機の戦闘機、胴体下部に見えた物体は何か、墜落現場特定の遅れ、事故原因の意図的な漏洩…。一つ一つ丁寧な解明をこころみ、事件性を示唆してベストセラーとなった、話題のノンフィクション、ついに文庫化。
目次
序章 あの日に何が見えたのか
第1章 一九八五年八月十二日の記録
第2章 新たな浮かび上がるあの日の証言
第3章 『小さな目は見た』というもう一つの記録
第4章 三十三回忌に見えてきた新たな真実―目撃証言からの検証
終章 未来の目は見た
著者等紹介
青山透子[アオヤマトウコ]
ノンフィクション作家。東京大学大学院博士課程修了、博士号取得。日本航空国際線客室乗務員として国内線時代に事故機のクルーと同じグループで乗務。その後、官公庁、各種企業、大学等で人材教育に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kinkin
94
青山透子さんの本、4冊目。この日航機123便の事件(あえて事件とする)のことをはじめからの流れを知りたい方は、動画サイトでみてから本を読んでいくことでいっそうわかりやすいと思う。どう考えても不可解なことが多すぎる。事件のことは風化させてはいけない。真実が暴かれることを願う。2024/07/08
さぜん
55
事故当時高校生で大惨事だったことは記憶しており、事故原因は障壁修理ミスとの認識だった。著者はもと日航社員であり、多くの同僚を失い公表された事故調査報告に疑問を持ち、その真相に目撃証言をもとに迫るノンフィクション。「黒い海」も同じような疑惑が焦点になるが、国による隠蔽や証拠隠滅がまかり通っているのは事実だと思う。国民もおかしいと気づいている。何が真実なのか、玉石混交の情報の中で自ら判断していく術を持たなければいけない。2024/11/23
南北
47
日航123便の墜落事故について、自衛隊によるミサイル攻撃の可能性があるとしているが、陰謀論のようにしか感じられなかった。思い込みであれもこれも怪しいと言い出し、さらに疑惑は深まったというような展開になってくるので、鵜呑みにはできない。ミサイル攻撃の可能性にしても飛行中の旅客機の尾翼に当てたと主張したいようだが、熱源もないのに追尾できるとは思えない。また火炎放射器についても自衛隊しか持っていないというが、安易に持ち出しできるはずも無く、根拠も薄弱という印象が残った。2025/04/23
AICHAN
39
図書館本。3度目の読了。3度も読んだのは、この著者のこの事件に関する著書が他に3冊あるのを知り、それらを読むためこの事件のおさらいをしたかったからだ。その3冊とは『日航123便墜落 疑惑のはじまり: 天空の星たちへ』『日航123便墜落 遺物は真相を語る』『日航123便墜落 圧力隔壁説をくつがえす』。どれから先に読むべきか悩むが、ともあれ図書館に予約しよう。日航123便墜落は日米共同演習中の戦闘機から発射されたミサイルによる撃墜だったとするこの著者の推理を信じ始めている私の思いを確信に変えたい。2021/01/31
きたぴー
36
青山透子氏の本は初めて。偶然観たJAL123便のTV特番と森永氏「書いてはいけない」から本書へ。事故当時は小学校低学年で事故の記憶はない。それでも公式発表に基づく特番を観た際に、隔壁破壊の段階で機内に甚大な被害が発生しなかった事や、真夏の好天の日にあれだけの惨事が起きて場所を特定できず朝まで救助に向かえないなど不可解な点が多いと感じていた。著者の他の本も読んでみたいが、兎に角ボイスレコーダーを公開すべき。そうしない時点で人様に言えない真実が潜む事件だと告白しているも同然。救助後回しとか人命を軽んじすぎだ。2024/11/12