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河出文庫
昭和を生きて来た―山田太一エッセイ・コレクション

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  • サイズ 文庫判/ページ数 294p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309414423
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

出版社内容情報

平成の今、日本は「がらり」と変ってしまうのか?そのような恐れも胸に、昭和の日本や家族を振りかえる。名脚本家の名エッセイ。

【著者紹介】
1934年、東京生まれ。大学卒業後、松竹入社、助監督を務める。独立後、数々のTVドラマ脚本を執筆。作品に「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」他。88年、小説『異人たちとの夏』で山本周五郎賞を受賞。

内容説明

自分は昭和で形成され、平成になってからの変化をよそからの攻撃のように感じていた…過ぎ去ったものを愛しながら、戦争の記憶を失わない世代の一人としてつねに未来を指向する。戦後日本をテレビドラマとして描きつづけた名脚本家・山田太一が折々につづった大切なこと。心にしみるエッセイ集。

目次

呪縛
明るい話
私が受けた家庭教育
私たちを支えてくれている他者の姿―橋口譲二写真集『職』
車中のバナナ
赤いネオンの十字架
柯橋鎮
味気ない反復の呪縛
組織の中で働くということ
底流にあるもの〔ほか〕

著者等紹介

山田太一[ヤマダタイチ]
1934年、東京浅草生まれ。早稲田大学卒業後、松竹大船撮影所入社。演出部で木下惠介監督の助監督に。65年、脚本家として独立、「岸辺のアルバム」「早春スケッチブック」「ふぞろいの林檎たち」など数多くの名作テレビドラマを手がける。88年、長編小説『異人たちとの夏』で山本周五郎賞、2014年、エッセイ集『月日の残像』で小林秀雄賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おさむ

36
使い古された表現だが、山田太一氏の眼差しは敗者、組織からはみだす人間、世の中のマイナスに対して優しい。「暗」があるからこそ「明」が成り立つという当たり前の事がわかりづらくなった。山田さんがドラマで描いてきたのは、ニッポンの家族の形の変遷だ。それはこの本にも出てくる小津安二郎監督が54本の作品で描いたものと重なる。最近、骨太なドラマがますます減っている。久しぶりに山田さんの新作を観てみたい。2016/09/15

白玉あずき

29
テレビと映画の違い、映像論の「残像のフォルム」が流石。「世界を透明にするまなざし」や「映像に透明性をあたえるもの」とは何だろう。小津安二郎監督を大絶賛。「東京物語」等から、失われゆく家族の景色を語る山田氏の言葉が、私の普段使い慣れている社会学系のコトバでないところが良かった。自分で体得した言葉を発することができるんだな。私なんか所詮人のコトバを拝借しているだけで、なんというか「まがい物」だし。「昭和」に惹かれて、ノスタルジーに浸って遊ぼうと思った当初の目論見は良いほうに外れました。山田太一、やっぱり一流。2019/07/24

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

21
恐ろしい本だった。令和の今、既得権と無縁の人々の生活を抑圧するものは昭和に芽吹いていたのだ。邪悪な芽は半世紀をかけてスクスクと育っていたのだ。食べ物を残せない世代、戦争はもちろん不幸なことだけど、戦争の記憶が薄れるにつれて、半世紀をかけてタガが外れてしまったのだなあ。タガって何?とならないうちに、タガを知ってる世代はたとえ嫌がられてもタガの存在を訴えて行かなくてはならない。「小さな体験から大げさなことを言うようだが」人々の小さな体験にこそ、忘れてはならないものがあると思わされた。岸辺のアルバムの取材時の→2024/06/17

kokada_jnet

18
P.206「出はじめのロバート・A・ハインラインのSFなどを読みふけっていた私は、自分に一種の超能力が宿ったかもしれないと考えた」 山田太一、ハインラインを読んでいたのね。2017/10/10

mawaji

5
訃報に接して手に取りました。画一していく「ナウ」な他の街から取り残されていく浅草に対する矜持や「不都合や支障がどれだけ私たちを豊かに深めてくれるか」語りかける温かい眼差しが著者の描くドラマに通底しているように思いました。私も「その年齢その年齢の輝きを無理なく手に入れている老人」になりたいものです。ロケットマンの放つミサイルが本土に着弾してしまったら「日本人が蓋をして来た攻撃的な情念がいっせいに解きはなたれ歯止めが効かなくなるのではないか」という懸念が現実のものになってしまうかも。ご冥福をお祈りいたします。2023/12/26

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