出版社内容情報
最も多くの芥川賞・直木賞作家を育てた編集者が、両賞の舞台裏を大公開。新人賞をとるコツ、長く読まれる作家になる秘訣などを語る。
【著者紹介】
1944年島根県出身。早稲田大学卒。文藝春秋に入社し「文學界」「文藝春秋」「オール讀物」「週刊文春」の各編集部などに所属。数多くの作家デビューに携わる。現在、松江観光協会・観光文化プロデューサー。
内容説明
あなたが受賞と決まりました。お受けいただけますか?―芥川賞・直木賞選考会当日、受賞者に電話をかけ喜びの第一声を最も多く聞いた編集者が、受賞作決定までの経緯、選考会の内幕を公開。新人賞獲得の秘策、実際目の当りにした作家の執筆作法も教える。芥川賞・直木賞をとる作品はこう決まる。
目次
第1章 芥川賞と直木賞で作家デビュー
第2章 作家デビューするまで
第3章 新人賞選考の内情
第4章 新人賞通過のための条件
第5章 冒頭の十枚だけで落とされる応募原稿とは
第6章 新人賞は出発点に過ぎない
第7章 プロ作家たちの現実
第8章 これからの時代、作家になるには
著者等紹介
高橋一清[タカハシカズキヨ]
1944年、島根県生まれ。早稲田大学卒業。文藝春秋に入社し「文學界」「文藝春秋」「オール讀物」「週刊文春」の各編集部、出版部などに所属し数多くの作家デビューに立ち合った。退職後、松江観光協会、観光文化プロデューサーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しょーくん@本棚再編中
48
★★★★★★☆☆☆☆作家のハウツー本としても、文学賞の裏話としても、十分に楽しめました。いい作家を生み出すには、いい編集者の存在もなくてはならないということでしょうね。2016/01/23
井月 奎(いづき けい)
29
こういうのを読んでいる間に書けよ、って事なのですが、それは置いておいてですね、良いですこの本。作家からの「作家になれますよ」本もたくさんの良書がありますが、これは編集者であり芥川賞や直木賞の文芸春秋社内の選考委員会をしていた人の著作であり、作家をとても近くで見る第三者としての目が鋭い。担当の作家や、きらりと光る応募者への愛着を持った人ならではの情を感じさせて、本や物語は作家一人のものではないのだなあと教えてくれます。しかし例に出された作家連中の変わった振る舞いと言ったら、社会不適合者……え?私も?2016/05/18
ひろぞー
22
編集者目線で書かれているのが面白い。こんな編集者の方が沢山いたら作家も幸せだろう。技術面に関しても結構丁寧に書かれていて読者の求めているものや、作者の持ち味を生かす指導を行っていたりする。本が世に出るまで様々なドラマがあるんだろうなぁと思う。2017/09/04
相生
10
作家になる気はなかったのだけれど、、、よい一冊。ちょっとだけ普段読んでる小説を別の視点から見れるようになるかも、っていう…というか正直少し作家になりたくなった。わからない言葉をevernoteに残したりするようになったりした…。中上健次を芥川賞作家にした編集者だけのことはある〜2016/08/17
atori
6
芥川・直木だけでなく、各新人賞絡みの色んな話を元ベテラン編集者さんが語った一冊。候補や受賞に至る際に電話をかける側の経験談や、新人賞の応募作が出版社に届いてからどう扱われていくのか、そして小説の基本的な書き方というか、書くにあたって大切にすべきことまで、それぞれ端的にまとめられていて面白く読みました。それに、私なんかは「芥川は新人純文学、直木は中堅エンタメ」って簡単に思ってしまっていたのだけれど、「時代の歯車をまわる作品に与えられるのが芥川賞」って書かれていたのが印象的でした。今後はそれ使っていきます!笑2016/08/29