出版社内容情報
誰にも嫌われないことに全力をそそぐ、28歳の花しす。だがそんな彼女に訪れる変化とは…。日常の奇跡を祝福する「いのち」の物語。
【著者紹介】
1977年、テヘラン生まれ。2004年『あおい』でデビュー。05年『さくら』がベストセラーとなる。07年『通天閣』で織田作之助賞、13年『ふくわらい』で河合隼雄物語賞、15年『サラバ!』で直木賞を受賞。
内容説明
池井戸花しす、二十八歳。職業はアダルトビデオへのモザイクがけ、趣味はICレコーダーでの隠し録り。「いつだってオチでいたい」と望み、過去を愛おしみ、誰の感情も害さないことにひっそり全力を注ぐ毎日だった。だがそんな彼女に訪れた変化とは―。過去、現在、そして未来が、新しい「今」とつながる、奇跡の物語。
著者等紹介
西加奈子[ニシカナコ]
1977年、イラン・テヘラン生まれ、エジプト・カイロ、大阪育ち。2004年『あおい』でデビュー。07年『通天閣』で第24回織田作之助大賞、11年咲くやこの花賞、13年『ふくわらい』で第1回河合隼雄物語賞、15年『サラバ!』で第152回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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読書素人本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
464
象徴的な人物やモノが出てくるし、過去と現在を行ったり来たり、と読みやすい作品ではない。人はいろんな事象や人物に生かされて大きくなる。そのすべてを覚えていられるはずはないけれども、できれば覚えていたい。作品の焦点は「いのち」そしてその予感を孕んだ「女性器」。女性だったら誰でも持っている女性器、普段われわれはその存在を意識して生活していないけれど。誤解を恐れずに言うならば、この作品は男性には読ませたくないし、読んでもらってもあまり理解してもらえないだろうと思う。西さんのメッセージは、しかと受け止めたつもりだ。2020/11/06
にいにい
135
西加奈子さんの感性いいなぁ~。心の深部を優しく描く。「生きていること」がそれ自体で祝福されるんだよってことを作品のあちこちで伝えてくれる。花しすの誰にも嫌われたくないという生き方も、花しすの巡り合った全ての人々の生き方も、不倫でも、どんな「いのち」も奇跡なんだと。ふわふわのなかで、新田人生が忘れられない思い、忘れてしまった過去と共に、「大丈夫だよ」と寄り添ってくれる。ベンツとジャグジーも。西さんの描く猫も独特で可愛い~。あとがきを拝見すると西さん自身、描き切れていない思いが残っているようだ。次作も期待!2015/12/16
sin
133
幼いころに突然「自分はやがていなくなってしまうんだ」という寂寥感を抱いた。今でも時々そういった切羽詰まった感覚に襲われてしまう。誰もが同じなんだけど、つい、自分は自分だけはと思ってしまう。だから花しすの良く思われたいという気持ちは痛いほどわかる。そこに自分に関心を持ってほしい忘れないで…という思いを重ねあわせてやがて消えゆく自分を憐れんでいる。「ねぇあなたはどうなの…」他人を大切に思うことが出来ているの?いま生きて在るこの瞬間の一つ一つを大切に過ごせているの?毎日が新しい人生なのにと作者は問いかけてくる。2016/01/29
yu
123
読了。 面白いとは決して言えない作品だけど、どこか不思議な中毒性がある一冊。 『そうえいば歩いているとき、お酒を飲んでいるとき、朝目覚めたとき、時々泣き出しそうになることがあったのだ(今もそうだ)。でもそれは感動しているとか嬉しいとか悲しいとか、どうにも名付けられない感情で、しいて言うなら、圧倒されているのだった。私はいつも「いのち」に圧倒されている。だから「ふる」という作品は、私が「いのち」の方へ手を伸ばしている、その格闘の軌跡だ。』この後書きに、私は圧倒され気づかされた。西加奈子、やっぱりすげ~。 2016/02/20
エドワード
112
人は忘れる生き物だ。記憶の容量には限りがあり、新しいことを記憶するため、古い記憶は消されていく。悲しい仕組みだ。大人の花しすは、少女の頃の体験を忘れている。彼女だけに見える、白いもの―様々な姿で彼女の前に現れる新田人生のように。少女の頃ともに暮らした母のように。「忘れんといてな。」忘れていた記憶が蘇る時、少女の頃の心も蘇る。そうやって人は生きていく。<ふる>は<降る>であり<経る>である。人生は祝福に満ちている。こんな哲学的な話を、ギャグ満載に描く西加奈子さんに脱帽。「ゆとりだから?」「うるさいわ。」2018/08/14
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