内容説明
『風と共に去りぬ』はなぜ大衆文学なのか。『赤毛のアン』に読者が惹かれる理由は。トム・ソーヤーら悪童が愛される文化の問題は。アーヴィングはフェミニストか。“聖母のいない国”アメリカで生まれた小説がはらむ「恋愛」と「真実」をさまざまな視点から読み解いた挑発的文学論。サントリー学芸賞受賞。
目次
マーガレット・ミッチェル『風と共に去りぬ』―『風と共に去りぬ』はなぜ「大衆小説」なのか?
マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』―グッド・バッド・ボーイの系譜
アーネスト・ヘミングウェイ『日はまた昇る』―不能であることの希望
J.D.サリンジャー『フラニーとゾーイー』―サリンジャーを正しく葬り去ること
メアリー・マッカーシー『グループ』―マッカーシー『グループ』と「真実」の問題
ナサニエル・ホーソーン『緋文字』―夫の立場から読む姦通の文学
バーナード・マラマッド『アシスタント』―アメリカ版『レ・ミゼラブル』
イーディス・ウォートン『エイジ・オヴ・イノセンス』―禁忌なき時代、恋愛小説は死滅する
ジョン・アーヴィング『サイダーハウス・ルール』―ジョン・アーヴィングはフェミニストか?
ヘンリー・ジェイムズ『鳩の翼』―悲劇の後生き延びた女はデーモンになる
ハーマン・ウォーク『ケイン号の叛乱』―勝った戦争のみが若者を成長させる
ケイト・ミレットとエリカ・ジョング―ヘンリー・ミラーをめぐる二人の女
ルーシー・モンゴメリ『赤毛のアン』―実現すべき自己などない時
著者等紹介
小谷野敦[コヤノアツシ]
1962年、茨城県生まれ、埼玉県育ち。東京大学文学部英文科卒業、同大学院比較文学比較文化専攻博士課程修了。学術博士。現在、東京大学非常勤講師。2002年、『聖母のいない国』でサントリー学芸賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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