内容説明
ため息をひとつつく。哀愁ってやつだ―私が“出会った”青い自転車が盗まれた。呆然自失の中、私の自転車を探す日々が始まる。父は単身赴任、母は家事放棄の“粗大ゴミ”。私と姉と母、女三人の日常は、どこか不穏ながらも、永遠に続くかに見えたのだが…。第40回文藝賞受賞作。
著者等紹介
生田紗代[イクタサヨ]
1981年、埼玉県生まれ。2003年、『オアシス』で第40回文藝賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白のヒメ
47
愛着のあった自転車を盗まれたフリーターの芽衣子。社会人の25歳の姉と共に、家事放棄して引きこもりになった母親の面倒をみている。バイトと家事をしながら、必死で自転車を探すも自転車は見つからない。努力しようとも、何事も解決せず何事も前に進まないさえない日常に、主人公の心の葛藤「私は一体何物だろう」という言葉が印象的だ。でも中年の私にとってはまるで「巣」を思わせるゆるく温かい小説。主人公は巣立つのはこれからだから、まだ何物にもなっていないだけ。最後に家を出た母親がそれを象徴しているのではないか。文藝賞受賞作品。2015/12/29
mick
2
好みの作品だった。叔父や、姉との会話の場面がよい。粗大ごみと化した母に非常に興味がある。母の側から書いた作品をぜひ読んでみたいところだ。ちなみに叔父も。2012/09/23
mk
2
サキちゃんとメー子さんのやりとりが好きだ。きょうだいという名の戦友。2009/11/08
isbm
1
★★★2019/02/16
fengui
1
ある日やる気を失ってしまった母と生活する姉妹たちとが生活する物語。 どこか破たんした、ひずみを抱えた日常。 どうなるかも考えられず、なるようになるのでしょうか。2015/05/06
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