内容説明
弓道部という珍しく古風なクラブに属している十六歳の高校生三田アイコ。その夏から冬までのにぎやかな学園生活を、十七歳の少女がユーモラスに描き出し、その年齢の少女のありのままの息づかいを伝えて圧倒的な共感をよんだ大ベストセラー。81年度文藝賞受賞作。
著者等紹介
堀田あけみ[ホッタアケミ]
1964年、愛知県生まれ。名古屋大学大学院修了。高校二年生のときに書いた『1980 アイコ十六歳』が1981年度の文藝賞を受賞し、当時最年少の受賞として話題を呼び、ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うりぼう
11
上田さんに借りる。明日は、堀田さんの講演会。堀田さんの原点の作品を読む。とても16歳の文章と思えない。その思考は、大人の視点であり、受容と反省の日々にありながら、明るくエネルギーに満ちている。最後まで紅子に拘るアイコは、漢字に嫉妬するのか?「イ」と「カ」の違いだけなのに。自分の感性で理解できないものに挑戦し続ける戦士。映画も借りてこよっと。2009/12/11
たいよう
8
高校生のときファンクラブに入ってた冨田靖子さんのデビュー作。今の若者にも気持ちが通じそうな話でした。すっかりおじさんになった自分は「大丈夫、たくさん悩み、たくさん失敗してもいいんだよ」と言ってあげたくなりました。ファンクラブといい、あの頃は若かったとちょっと恥ずかしくなりました。2015/01/06
ヒロポン
6
等身大の女の子が主人公で、その女の子の心の動きが瑞々しく描かれているのがすごく良かった。文体もかなり砕けた日本語なので当時としては衝撃的な作品だったろうね!2013/08/08
nadaha
4
1980年頃の瑞々しさ枠。当時女子高生のデビュー作という事で話題になったらしい。そうはいっても実際の堀田あけみさんは僕より全然年上だし不思議な感じはする。この世代の高校生なんて上に反抗してたりバブルで就職も楽だし社遊族として遊びまくってた好景気世代のくせに中身のない文句ばっか言いやがって、と今の世代から見ると大変に腹が立つが、どの時代でも同じようなもんなんやろうな。バイクで事故って元カレ死亡エンドとか見ると、やっぱケータイ小説ってこの頃の不良少女漫画の焼き直しなんだなぁ、と改めて感じた。2017/07/19
rokkun
4
今の若者が考えるのを放棄している問題に、等身大の十六歳として立ち向かっているアイコの姿はとても眩しく見える。十六歳にしか書けない一文一文に叫びのこもった作品。久しぶりに読み返してみたけどやっぱり心にズンと思いが飛び込んでくるいい本だ。2012/08/18