内容説明
軽快な語り口が、若者に人気だった。海外での放浪生活が長かったからか、普通の人より少しだけ、珍しいことを知っていた。それが、またウケた。体力・気力にものをいわせ、まさに作家稼業を驀進中―。そんな男が、ある日突然、脳出血で倒れた。一命は取り留めたものの、半身不随・失言症との闘いが続く。もう一度、再起を期しつつ、リハビリに励みながら編まれた珠玉のエッセイ集。
目次
「こうありたい男」はプールで泳ぐ
音楽評論家の音楽生活
箱根の風変わりなお祭り
本物くさいお嬢さま
K君のクリスマス・イヴ
新聞を読まない少年
池袋西口界隈
英語と計算尺の授業
沈丁花の匂う季節〔ほか〕