内容説明
男の子にも女の子にも、僕にも君にもあった1989年を総括し、“今”の生き方を問う。
目次
6 男の子たちの89
7 海の向こうの89
8 終わってしまった89
9 女の子たちの89
エピローグ きみだけに贈るつもりの89
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
練りようかん
13
1989年とは何だったのかを振り返る。今年を代表する人に昭和天皇・土井たか子・宮崎勤を挙げ、リクルート問題から性と働くことへトピックは移り、男女の差と男女の差のない両方の現実を深掘り。美空ひばりの死や新雑誌が続出した実相、人生相談まで多岐に渡る内容で特に山田邦子からみた〇〇の例えが面白かった。そしてセクハラの訴えと自身の性被害体験は、“なぜ当たり前にそうなの”と怒りと恐怖の的確な表現が政治不信も差し円環を感じた。巻末の関連年表は途中で息切れするほど重大な出来事のラッシュで異様。何だったんだ?ほんとに。2025/06/09
ドント
5
1989年。あまりにも色々ありすぎた年に、ひとりの物書きが何を感じ何を思ったかの記録。あまりに特徴的なダラダラお喋り調文体に反して、この上下巻700頁に書かれている主な主張は実にまっとうでまっすぐだ。「世の中色々あるけどさ、しっかり自分を持つようがんばんないといかんよー」。そして天皇崩御から山瀬まみまで縦横無尽に語り尽くした後、最後に紡がれるのが「たった一人の少年」へのメッセージ。一人の男が一人の少年のために築いた、「今」という時代の強固な記録。そして一人の少年とは、「今」を生きる我々のことでもあるのだ。2013/06/14
ygreko
1
改元に関して何の関心も感慨も無かったのだけれど、昭和の終わりを論じたこの本を手にしてから三十年が経ち、それがつまり平成で、その終わりをまた論じていたであろう橋本治が、平成と共に去りぬ、という事実に愕然としている。 2019/07/06
サバカレー
0
読了。めんどうくさい。2023/10/22
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- 現代語訳 貧乏物語 講談社現代新書