内容説明
あの決断、あの懊悩、あの出逢い、あの別離…。四国徳島の吉野川流域で過した少女時代から、家族・肉親からの出奔、放浪の日々、父親との断絶、男たちとの愛と別れ、そして何よりも文学へのやむにやまれぬ情熱に貫かれた我が半生―。あふれる黒髪を截り、仏の道に導かれて尼僧となるまでの、孤独で危うくしかも激しく燃えつづけた波瀾の歳月の真実を赤裸々に伝える、自選エッセイ集。
目次
巻頭書き下ろしエッセイ 出家以前の私
昏き闇より―わが回心の記
恋の重荷
世外
放浪について
残された夢
年末行事
途上
失われた日々
烈しい生と美しい死を
「祇王寺日記」
道元と私
流域紀行―吉野川
未知の招き
比叡万緑
大原の尼僧
すててこそ