内容説明
何だか訳の分からない変な話、ただただ笑ってしまう可笑しな話、現実には有り得ない面妖な話、魂も凍る恐ろしい話。人生、時代、社会など、さまざまの意味づけで覆われてきた。“正統文学史”からはみ出した不思議傑作16篇を集成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たろさ
10
「星を売る店」が断トツで意味不明。単語はわかるけど内容がわからない。というか読んでも読んでも頭に入ってこない話ばかり。解説読んでもわからない。さすがナンセンス小説。「死なない蛸」が読めたので良し。それにしても疲れた。2020/10/25
ayumi
6
ブックカフェでたまたま手に取った本。 文豪たちのマイナーな作品が詰まった個人的に大ヒットの一冊。 夢野久作の霊感!は、どの時代にも通ずる男女関係のあれこれがあるのだな、などと感じたりしたが、まさかのオチに笑った。けして有名ではない、これらの作品を選び集めた編集者のセンス◎2017/12/27
るすみら
3
人を食ったような、でも本人は案外真面目に書いてるような、不思議な味わいの16の短編を編んだ1冊。ネームバリューのある文筆家が書いた、有名ではない短編たち。クスクス笑いながら、行間に潜む妙な空気を味わいながら、のんべんだらりと読むのがおすすめ。鏡花と足穂は透明感のある余韻を、漱石、百けん、芥川はお馴染みのそれぞれの持ち味を味わわせてくれる。中島敦、久生十蘭の短編が特に素っ頓狂だった。短編の出来はまちまちで傑作選という趣でないとこが絶妙。この人こんな話もかいてたの!?という驚きでいっぱいになれます。2011/08/04
あずき
1
泉鏡花「雨ばけ」、夏目漱石「夢十夜・第二夜」、内田百閒「北溟・虎」、芥川龍之介「煙草と悪魔」、稲垣足穂「星を売る店」、森鴎外「寒山拾得」、横光利一「頭ならびに腹」、夢野久作「霊感」、萩原朔太郎「死なない蛸」、宇野浩二「化物」、梶井基次郎「愛撫」、久生十蘭「謝肉祭の支那服」、坂口安吾「風博士」、牧野信一「ゼーロン」、石川淳「知られざる季節」、中島敦「文字禍」以上16作品。全作品に通ずるナンセンスはどれも絶妙!個人的には夢野久作がやっぱり一番好き。後は、坂口安吾、中島敦、稲垣足穂、萩原朔太郎、久生十蘭の順。2012/08/31