内容説明
『機雷』で直木賞を受賞し、熊本近代文学館初代館長をつとめた著者が遺した、誠実にして平明な宗教随想。明恵上人の生涯をたどりながら現代人と仏教の関わりを考える。
目次
今、なぜ明恵上人か
高山寺と森
紀州遺跡
上人とその時代
神護寺
華厳経と関係性
華厳経と重重無尽
海と小石
上人と人法二空
上人の信について〔ほか〕
著者等紹介
光岡明[ミツオカアキラ]
昭和7年、熊本市生まれ。熊本大学法文学部卒業後、熊本日日新聞社に入社。編集局次長や論説副委員長を務めたのち、熊本日日新聞社情報文化センター社長を経て、昭和60年から平成7年まで、県立熊本近代文学館初代館長。昭和57年、『機雷』で第八十六回直木賞を受賞。平成16年逝去
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感想・レビュー
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SOHSA
20
《図書館本》「華厳経入門」と併読。一般的には馴染みの薄い明恵上人ではあるがNHKテレビ「こころの時代」を観て興味を持ち、本書を手にとった。明恵上人の思想と生涯を本書から教えてもらった。仏教に関わらず多くの宗教から離れてしまった現代日本。それでも過去の歴史を紐解けば様々な宗教が日本にもたらされ、ある時代には国を支え、日本文化に大きな影響を与えたことがわかる。明恵上人が帰依し信仰した華厳経も他の鎌倉仏教ほど根付きはしなかったが、本書から当時の明恵上人の宗教的熱意がありありと伝わってきた。2024/06/08
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