感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あつひめ
29
日本文学の代表的な文豪が勢ぞろい。普段なかなかこれだけの作家さんを一度に読む機会が無いので得した気分。時代が時代だけに表現もまどろっこしい物言いや思わせぶりなところもあるけど、それが「時代」というものなんだろうなと感じた。現代の作家さんが数十年後日本を代表する作家として同じようなアンソロジーが組まれたら誰が居るだろう。小説はその時代を色濃く残す生きた世界のような気がする。それぞれの作家さんの代表作しか読んだことがなかったので知らない部分を垣間見た気がした。日本文学史に残る作品をもっと読んでみたい。2011/06/03
Kouro-hou
18
名だたる純文学の文豪の皆様のミステリー(っぽい作品の)アンソロジー。ただし夏目漱石や森鴎外など、まだミステリーどころか探偵小説の概念も日本に無かった頃の作品も多く、犯罪の解明は二の次で事件当事者、関係者達の心理を描写する小説が多い。個人的なお気に入りは泉鏡花「眉かくしの霊」、川端康成「それを見た人達」。森鴎外「魔睡」は今見るとエロとはとても言えないが、当時は宮内庁から怒られる程エロ扱いされたらしい。内田百閒「サラサーテの盤」は大好きなんですが、ミステリーなのかな??2015/02/27
aaboo
2
谷崎潤一郎の「途上」が一番よかった。太宰治の「犯人」は既読だった。2018/06/10
アヴィ
1
それぞれ明治大正昭和を代表する文豪達によるミステリー寄りの傑作選。どれも素晴らしい。森鷗外や泉鏡花太宰治の作品は、まさに彼らの書いたミステリーといえる独特の文体が雰囲気を出している。逆に川端康成は、驚くほどミステリー小説っぽい文体で、覆面で書かれたらわからないほどで、多芸な才を感じる。全編を通して怪し気な雰囲気なのが内田百閒。代表作とされる冥途よりも、こちらの方に魅力を感じる。2024/12/30
内田
1
再読。面子が凄いなあとカバーを見て思った。内容も素晴らしい。うっとりした。単語や表現が判らない所が原書で読む怪奇ミステリぽく大変に盛り上がった。ラスト三島のキレが良くてガッツポーズ。一番好きなのは鏡花だった。2021/03/15




