内容説明
WHOが発がん性があるとした物質の正体とは?水道水や井戸水が高濃度のPFAS(有機フッ素化合物)に汚染されていた!?PFASは「永遠に消えない化学物質」。身近にある便利な製品から私たちの身体に侵入し、病気や、子どもの発育のリスクに影響している可能性が指摘されています。まだまだ日本では周知されていないPFASの正体を知り、どうやってその脅威から身を守るのか。各自治体や市民の取り組みなども紹介した必読の1冊。
目次
はじめに あなたの暮らしの中にPFASが潜んでいるかもしれないって、知っていましたか?
1 PFASを知る
2 PFASの健康影響を知る
3 生活の中のPFASを知り、選択肢を持つ
4 PFAS問題に立ち上がった人たち
おわりに PFASの汚染は氷山の一角が見えただけ―行政、企業によるPFAS汚染対策を推し進めるのは生活者の声です
著者等紹介
原田浩二[ハラダコウジ]
京都大学大学院医学研究科准教授。専門は環境衛生学。京都大学大学院医学研究科助教、講師をへて2009年から現職。2002年に京都大学で小泉昭夫教授(現・名誉教授)の調査チームの一員としてPFAS汚染問題に取り組み、近年は国内各地の市民団体と協力しながらPFAS汚染の調査・研究に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ふくとみん
11
図書館で借りた。水に溶けやすく広がる。魚に含まれる。献血すれば体内から除去できるが、受け取る側はどうなのか。検査費用も高く普通にはできそうもない。人類は生み出した化学物質で滅んでいくのだろうか。2024/08/31
小鳥遊 和
4
『消された水汚染』を読んだ時は「また在日米軍基地の問題か」と気が滅入った。その後、有機フッ素化合物はフッ素樹脂加工他あらゆる生活に関わる品に使われていて、基地のない大阪で高濃度が出るなど問題は広がり、環境省も動き出した。本書は環境衛生学の専門家による総説。生命に関わるのは腎臓がん・精巣がんの増加と胎児への影響、川に住む魚の生物濃縮や輸入食品への懸念。水道は自宅の配水系統を知り水道水質データベースで調べられ、身の回り品は化粧品技術者のためのデータベースサイトで「フルオロ~」で検索できる等、役立つ情報が満載。2024/08/23
さんみや
3
PFAS(有機フッ素化合物)、別名「永遠の化学物質」について論じた本。熱に強く分解しないという特質から、様々な用途に使用されている。主な用途は泡消化剤、撥水剤、フロンの製造工程など。 過去にも石綿やPCBといった、その当時は夢のような物質ともてはやされ、その後その有害性を指摘された問題と似ている。ただ、PFASは発生源やどこまで浸透しているか、容易に判別することが難しい。 その社会的な影響と重大性について、欧米ほど日本では議論されておらず、今後水質基準の規制や根本原因の解決が急がれる。2024/12/25