内容説明
国の地形図や、ネットのデジタル地図はじつは案外“ざっくり”と描かれている。いっけん不自然な表現になった事情や隠れたメッセージの意味を知れば地図の読み方・楽しみ方が一変する!
目次
1章 地図には、あちこちにウソがある
2章 地図は、もともとウソつきだった
3章 地図がひた隠す、不都合な事実
4章 GPSで露わになった地図のワナ
5章 デジタル地図といえども万能じゃない
6章 デジタル地図の進化は止まらない
著者等紹介
遠藤宏之[エンドウヒロユキ]
1963年、徳島県生まれ。駒澤大学文学部地理学科卒業。地理空間情報ライター(地図・地理・測量・GIS・位置情報・防災)、測量士、地理専門情報誌『GIS NEXT』(ネクストパブリッシング)副編集長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
126
旅行先でガイドブックの地図が誤っていて立ち往生した経験は何度もある。当時は間違った地図を作るなんてと腹が立ったが、ミスでなくても誇張や省略、書き換えは、人が長い地図製作の歴史を重ねるうちに会得した、必要悪なテクニックだったと初めて知った。空中写真をもとに製作された時代から今日のデジタル地図に至るまでを身を持って体験してきた著者は、地図とは奇妙な表現あってこそ成立するものだと教えてくれる。「意外とウソつき」とは、裏も表も知り尽くしているからこその愛情の言葉なのであり、地図を眺める新たな面白さを教えてくれる。2023/12/30
鯖
28
こんなご時世なのでハザードマップについての記述を中心に読む。一言でハザードマップとはいえども、高潮や台風、洪水、地震等によって別々の地図が本当は必要だし、避難所も異なるはずとの指摘。それはそうなんだけど、一定の空間が確保できるというだけで学校や体育館が立地を考慮することなく指定されている場合がほとんどなのではないか。空き家増えたといっても散らばってるから、一定の空間なわけじゃないし。近くの避難所も二級河川の土手にあるし。ホントにやばくなったら一瞬でどうにかなってくれますようにと祈るばかり。2024/01/07
雲をみるひと
25
地図の作り手側の経験がある作者による地図の不正確がテーマの本。専門的過ぎて理解が及ばないところもあるが、作者ならではの視点やあまり知られているとは思えない地図の裏話が紹介されている点で貴重な1冊だと思う。2024/05/16
えも
19
仕事柄、じゃないな。趣味に関連して地図を見ることが多いので、この本はとても面白かった▼もちろん、現実を縮小する以上、誇張や省略は仕方がないし、球体を平面にするうえでの取捨選択は理解しているつもりだが、GPSによって地図業界が更に努力を余儀なくされていることや、デジタル地図ならではの工夫や進化など、新たな知見も多い▼利用する側は、こうした取組を正しく理解し、今のデジタル地図について、いわば「温かい目」で見守る必要を切に感じた。2023/12/18
月をみるもの
13
みんな書いてるけど、地図は別に嘘をついてるわけではなく、複雑な現実世界をどう簡略化し、表現すべきものをいかにわかりやすく表記するかを追求してるだけなのである。 https://www.weblio.jp/wkpja/content/%E6%95%B0%E7%90%86%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB_%E6%95%B0%E7%90%86%E3%83%A2%E3%83%87%E3%83%AB%E3%81%AE%E6%A6%82%E8%A6%812023/12/07