内容説明
1970年代に行われた貴重な対話が一冊に。イラスト&解説文も多数掲載。
目次
第1章 手塚治虫「SFマンガについて語ろう」
第2章 水野英子「私たちって変わり者かしら」
第3章 石森章太郎「SFの話は延々尽きない」
第4章 美内すずえ「親愛なるモー様へ」
第5章 寺山修司「月で修学旅行の案内係」
第6章 小松左京「絵の理想型とは?」
第7章 手塚治虫・松本零士「マンガ、SF、アニメーション」
第8章 羽海野チカ「全部、萩尾作品から学びました」
著者等紹介
萩尾望都[ハギオモト]
1949年、福岡県生まれ。1972年より連載が始まった『ポーの一族』は、少女漫画界の歴史を変える作品として現在も語り継がれる名作。以後、SFやファンタジーなどを巧みに取り入れた壮大な作風で唯一無二の世界観を表現。あらゆる方面から圧倒的なリスペクトを受けている。『ポーの一族』『11人いる!』で第21回小学館漫画賞(1976年)、『残酷な神が支配する』で第1回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞(1997年)、『バルバラ異界』で第27回日本SF大賞(2006年)など、受賞歴多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
moyo
58
とにかくカバーがきれい!内容の面白さと読みやすい造本の相乗効果でぐいぐい読んだ。70年代にさまざまな雑誌に掲載された7つの対談を集め、この本のための語りおろし対談(羽海野チカ)を加えた8本がまとめられている。萩尾らの対談当時の写真も載っている(もっと見たかった)。参考図版が(セレクトさせていただいた立場で自画自賛っぽいけど)対談本にしては数多く入っていて図版だけ辿っても楽しめると思う。70年代後半の対談ばかりなので当時ってこんな雰囲気だったのかな、というのも味わえる。対談相手の半数が鬼籍に・・早すぎです2012/02/28
いちろく
51
紹介していただいた本。羽海野チカさんの「ハチミツとクローバー」のその後が語られていると知り手に取った1冊。 あのラストのモヤモヤも解消されるので、ハチクロ全巻既読者は読むべき内容です。ただ、それ以上に萩尾望都さんが対談されたメンバーが、手塚さんに、水野さんに、石ノ森さんに、美内さんに、寺山さんに、小松さんに、松本さんですよ。豪華すぎて、豪華すぎて、夢中になってページを捲りました。登場されている方の漫画を既読していれば、より楽しめる内容。あぁ、漫画が読みたくなる。 2017/11/07
陽@宇宙望遠鏡⭐︎星と宇宙とロケットが好き
35
最初に手塚治虫。しかも百億の昼千億の夜を描く直前で大興奮。ブラッドベリの透明感や詩的な雰囲気が好きな私が望都ちゃんのSFが好きなのは至極納得。石ノ森との対談1977年でまだスペースシャトルが認知されていない会話にも驚愕。寺山修司との対談では月に住んでジャガイモ植えると望都ちゃんは語る。火星の人は日本の漫画オタクだったよね?寺山の質問がロマンチックすぎて悶絶。恋に落ちる。2012年発行。ハーバードの台詞に涙がポロリ。2016/04/05
まるる
29
そういえばモー様のSFマンガって『11人いる!』くらいしかまともに読んだこと無かったと思う。そうか子供の私には難しかったんだなぁ。私にとってのモー様は『ポーの一族』『トーマの心臓』だったんですよね。しかし豪華な対談でした。タイムマシンで過去に戻ったような、大事にしまっておいたタイムカプセルを掘り出したような1970年代の対談集。大人になった今だからこそ興味深く読めた内容だったと思います。2013/05/08
更紗蝦
25
1970年代の漫画業界では、いかにSFというジャンルが不遇だったが分かり、すごく意外でした。私は1972年生まれですが、物心ついた時はテレビで『秘密戦隊ゴレンジャー』『仮面ライダーストロンガー』『がんばれロボコン』のような番組が放送されていて、そういった番組によってSFファンの下地が出来上がった人はきっと多いのではないかと思います。(ファンタジーなら、『透明ドリちゃん』とか、『ポールのミラクル大作戦』とか…。)2013/02/17