内容説明
単独徒歩でのサハラ砂漠縦断、同じく単独徒歩での北極点到達…。数々の記録的な冒険を次々と成功させた超人・河野兵市の最後の挑戦は、北極点から故郷の愛媛まで、1万5000kmを独りで歩いて帰るという壮大なものだった。常に死と隣り合わせの極限に挑むべく、家を後にする夫と、その背を見送る妻、二人の子供。家族の揺らぎに直面する私たちは、この太くて強い「絆」で結ばれた家族の姿に瞠目させられる。
目次
幸福への魔法
精霊の山
運命の事故
告白
冒険家の妻に
童話『おうちへ帰ろう』
父と母になる
こげつく青春
サハラ砂漠縦断
北極への決意
遼兵誕生
北極点に立つ
リーチングホーム
永遠の旅
著者等紹介
河野順子[コウノジュンコ]
1957年生まれ。1976年、千葉県立市原高校を卒業後、上京。テレビや舞台の髪結・ヘアメイクの仕事をしているころの1987年7月、パキスタンにあるナンガパルバット登山隊に突如参加し、河野兵市と出逢い、結婚。2001年5月、北極海の事故で夫・河野兵市と死別。現在も会社員として働き、一女一男の母として子育てに追われている
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感想・レビュー
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Nao Funasoko
16
「ああ、これは二人の子どもたちのために書かれたものなんだな」 ほとんどの漢字に振り仮名がふってあることで読みはじめてすぐに気づく。 河野兵市は1997年5月に日本人初の単独踏破で北極点に立つ。4年後、2001年5月、その北極点から故郷の愛媛までの徒歩の旅(リーチングホーム)をスタートして間もなく命を落とす。本書は河野の妻によって、前作以外の冒険や家族との結びつきなどを通じて冒険家の素顔をあぶりだす。 前読『北極点はブルースカイ』と本作はコインの裏表。併読することで立体的に伝わってくるものがある。2019/07/05